第3話異世界転移って本当ですか?!

 眠いながらも、何とか耐えて迎えた昼休み。俺はいつも一人で食べている。一緒に食べる友達がいないとかではなく、俺はその時間帯にゲームの攻略や新情報の入手などを行うからだ。


「あの、紅君?」

「ん? どうしたのさ? 神崎君」


 彼は神崎かんざき影夜えいや。前髪で目を隠していてる男の子だ。そして神崎君は何より影が薄い。それはもう驚くほど薄い。この距離でも意識を外した時にどこかに行かれたら見つけることは難しいだろう。本当にそのレベルで影が薄い。


「言い忘れてたけどさ、優勝おめでとう」

「ありがとね」

「じゃあ、それを伝えに来ただけだから」


 そしてフラッとどこかに向かった。ちなみにもう見失った。


「さて、次のイベントは……」


 俺がそんなことを考えながら、スマホとにらめっこしていると、教室内がざわついた。


「おい! ドアが開かないぞ!」

「ふ~ん。 スナイパー専用ステージか」

「ダメだ!窓も開かなくなってやがる!」

「あ、ショットガン用のステージも出るんだ」

「おい!どうするんだ?!」

「限定スキンが出るんだ」

「…………」

「ランキング式で順位発表もするんだ」

「…………」

「キル数に与えたダメージがランクの要素として絡んでくるのか」

「…………」

「あれ? みんなどうしたの?」

「「「お前はもう少し慌てろ!!」」」

「えぇ~?!」


 よく見たら足元になんか模様ができているぞ。これはあれか? 俗に言う魔法陣ってやつかな?


「え? なんかやばくない?」

「「「だから慌ててんだよ!!」」」

「蓮! 大丈夫か?!」

「お、勇に秀介。 何が起きてるんだ?」

「俺にもよくわからない。 なぁ、秀介?」

「あぁ、だがとりあえず、俺たち三人で固まって居よう」

「おぉ。 わかった。」


 秀介の案により俺たち三人は、それぞれ荷物をもって集まった。その行動を見てクラスメートたちも各自の荷物を持って、仲の良い人たちと何人かのグループを作っていた。


「このまま何も起きなければいいんだが……」

「それは無理だと思うぞ」

「やべ、超眠い……」

「「…………」」

「どうした?」

「蓮はほんとにマイペースだな」

「まぁ、おかげで少しリラックスできたけどな」

「なんかよくわからんが……落ち着いたならオッケーだ」


 そんな話をしていると、変化が起こった。床に書かれた魔法陣らしきものが光り輝きだし、教室内が揺れ始めた。


「な、何だ?!」

「ゆ、揺れている?!」

「蓮! 秀介! 捕まれ!」

 俺と秀介はそれぞれが勇の伸ばした手につかまった。そしてそれとほぼ同時に、光が今までとは比べ物にならないほど強く輝きだした。


「まぶっ……」


 そんな俺の声が響き渡る前に、俺たちはどこかに飛ばされる。そんな感覚を味わい始めた

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