蹴ることについて
たまには蹴ることに考えてみたいのです。
皆さんは最近何を蹴りましたか?
会社勤めの人は「ふざけたことを言ってきた取引先との交渉を蹴ってやった!」という人もいるかもしれませんが、私は普通にフットサルのボールを蹴りました。ミットやサンドバッグもたまに蹴ったりします。
蹴るということはとても複雑な運動ですが、投げるというのも実に複雑な運動であります。
物を投げる時、人はどういった動作をするか一度思い出してみて下さい。
右手でボールを投げようとする人はまず右を向いて半身になりますね。それから胸の前で一度ボールをセットして、左足を前に踏み込みます。そして踏み込んだ左足の力を膝、腿、腰へと上に伝えてゆき徐々に腰を回転させます。腰が回るのにつられて胸と肩が回り、肩が身体の前に出て肘が出て最後にボールを握っている右手が出てきます。最後の一伸びのためには手首を返すスナップも重要になります。
握っている右手だけを幾ら早く動かそうとしても良いボールを投げることは出来ません。投げるという行為は「下半身から生じた力を上半身に伝える」という全身運動なのです。
そして実は蹴るという動作も同じかそれ以上に複雑な運動なのです。
一番大きな力となるのはやはり蹴り足とは反対の軸足の踏み込む力でしょう。腰を回転させる力、蹴り足の股関節を伸展させる力も当然重要です。上半身の力も重要です。蹴り足側の手を振る動作はそれだけ大きな力を生みます。当然身体のバランスを保つ体幹の力も必要です。キックの精度はバランスを保つ力に掛かっていると言っても良いでしょう。
体育の授業でボールを蹴る行為は誰もがしたことがあるでしょうが、蹴るという行為は実に複雑な運動なのです。
ボールしか蹴ったことのない人は是非一度格闘家の蹴りを思い浮かべて蹴ってみて欲しいと思います。綺麗な蹴りを放つにはかなり練習が必要です。最初から完璧なフォームで蹴れる人はほとんどいないでしょう。
さてなぜ蹴るという行為について書こうかと思ったかと言いますとですね、まあ私が割と得意と言いますか、意識してきた行為だからであります。
先述したように、私は時々サンドバッグやミットも蹴ったりしていますがこっちのキックはイマイチです。30歳超えてから習ってさして毎日練習しているわけでもないのでそんなに上達はしません。
ボールを蹴るという行為についてです。
私がボールを蹴り始めたのはいつの頃だったでしょうか? 小学1年生の体育のサッカーではすでに活躍していた記憶があるので、さらに子供の頃から蹴っていたのでしょう。
以前の稿で何度か書いているように私はとある宗教組織の子供として育てられてきました。そのため一般的に部活に入れるようになる小学4年生になってもサッカー部には入れませんでした。
しかしですね、実はその組織で同年代や少し年上の人たちと子供の頃からよくサッカーをしていたのです。夏休み期間中などは週に何回もしたこともありましたし、遠征的に他の地区の会衆の兄弟たちと試合をしたこともありました。
年上の人たちとばかりプレイしていれば、当然同年代の子たちとプレイした時には上手い方になります。まあ同じ宗教組織内のことなので母親もそれを止めるようなことはありませんでした。多少でもストレスを発散する機会になれば良いと思っていたのでしょう。
さて部活に入ることは許されなかった私ですが、なぜか1人でボールを蹴ってくることは許されていました。中学生に上がると周囲に見られることが恥ずかしくなって、あまり1人でボールを蹴ることはしなくなるのですが、小学生の頃はよく公園のネットや壁に向かって1人蹴っていました。
「何でサッカー部入んないの?」とは散々聞かれましたが、まあもちろんはっきりと答えることは出来ません。
今思えばもっとドリブルやトラップの練習をしておくべきだったと思うのですが、当時はストレス発散の意味合いが大きくてですね、壁に向かって思いっ切り蹴るということしか意識していませんでした。
しかしそれでもインステップのキックだけでなく、インサイド・インフロント・アウトサイド……それに左足のキックも徐々に取り入れていったのである程度は上達したように思います。しかしやはり子供の頃……若い頃に培った技術の方が身に付いていると思います。今も右足と左足のキック技術には雲泥の差があると思います。
逆足(利き足でない方の足)はほとんど蹴れない、というサッカープレイヤーが意外とプロでも多いのですが、私はご存知の通り理屈っぽい人間ですので、当然左足も右足と同程度まで蹴れるようになりたいとは思っています。しかしそこまでの域に到達することはないでしょう。
この逆足でも蹴れる……というのはサッカープレイヤーとしての選択肢を大きく広げます。FWが左にドリブルで抜いても左足でシュートが撃てないとなれば、DFは当然守りやすくなります。あらゆるポジションの選手が両足で蹴れた方が選択肢が広がるのは言うまでもありません。
しかし、右足7左足7で蹴れる選手よりも右足1左足10で蹴れる選手の方が守っている側からしたら怖いものでもあります。特に左利きの選手というのは守る側からすると、慣れていない分守り辛く、独特の間合いや蹴り方をしている選手が多いように思います。
先述したように私はキックが割と得意です。
今も40近いおじさんたちと高校生が同居した不思議なフットサルを楽しくプレーしております。
年々走れなくはなってきていますが、キックの技術は衰えないものだと感じています。インサイド、インステップ、インフロント……子供の頃培ったキックの技術は今も私を支えております。また、蹴る技術があると自然と視野も広がるものです。
皆さんも是非キックの技術を磨いて下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます