ヤナミューについて
私にとって『ヤなコトそっとミュート』とは何だったのだろうか?
2022/06/26ヤナミュー現体制ラストライブが行われた。この文章はその翌日に書いているわけだが、一晩経った今も私の気持ちは複雑だ。気を抜いたら泣いてしまう。
ライブ自体は最高のもの、これ以上ないものだったと確信を持って言える。
楽曲、演出、バンド演奏、音響、メンバーのパフォーマンス、そこから見えてくる彼女たちの人間性……全てが一つになってヤナミューであった。ヤナミューの世界を余すところなく体現していた。
だが最高のライブであったがゆえに、喪失感も同じくらい大きくのしかかって来る。
やはりどう考えてもヤナミューという存在は他の何かでは埋めようがないからだ。
私はヤナミューの他にも色々なアイドルのライブを観に行く。もちろんどのグループもそれぞれの魅力があり、替わりが存在するわけはない。
だがその中でもヤナミューという存在は私にとってやはり特別だった。
それはヤナミューの描く世界がとても本質的な表現に思えるからだ。
「こんなクソ真面目なアイドル他に居ない」ということをMCでなでしこさんが言っていたが、まさにこの言葉に尽きる。
本当に誠実な表現だとライブを観る度に毎回思う。私がヤナミューに出会って5年と少しが経つわけだがこの印象がブレたことは一度もない。私のヤナミューとの出会いや音楽的にどこに惹かれたかといった部分に関しては、前項の「音楽について④」で書いてあるので読みたい人は読んでみて欲しい。
昨日は序盤の『morning』『Lily』 で彼女たちが歩んで来た道のりを感じて泣いて、中盤は一転してとても楽しくなり、最後のMCで再び号泣した。
MCで感じたのは、彼女たちの人間性とヤナミューの方向性がやはり本当にマッチしていたのだな、ということだった。クソ真面目なアイドルを支えてきたのはクソ真面目な楽曲だったということだ。あるいはそれはお互いに高め合って行き着いた境地なのかもしれない。
でもきっと、これだけ誠実な表現をし続けなければならない、というのはメンバーにとって苦しく感じる時もあったのではないだろうか?とも邪推してしまう。
傍から見ていて苦しそうに見える時期も正直あった。レナさんが脱退して3人で活動している時期にはそう感じたし、その後メジャーデビューするもそれが足枷になって活動が制限されているように思える時期もあった。もちろんコロナの影響も多分にあるだろう。コロナがなければ今も活動は続いていたかもしれない。
それでもヤナミューはやり切ってくれた。誠実な表現がこれだけ人の心を動かすのだ、ということを存分に示してくれた。
どんなものにも終わりは来る。ヤナミューのスケールの大きさ・実力に見合っただけの世間的な評価が得られたとはとても思えないが、少なくともファンの心には一生残るかけがえのないアイドルだったことは間違いない。
私も間違いなく30歳過ぎて出会ったこの青春の時期を死ぬまで忘れない。本当に感謝と尊敬しかない。みんな幸せになって欲しい。
だがヤナミューは解散ではない。4人のメンバー全員が脱退して現体制が終了するというのが公式発表だ。現体制終了ということは新体制があると考えるのが普通だろう。
この点に関してだけは納得出来ないというのが正直な気持ちだ。ヤナミューとはあの4人でしか(レナさん、つかりんの脱退を経た上での)あり得ないと思うからだ。
ここから全然見ず知らずのメンバーが加入して「私たち、ヤなコトそっとミュートです!」とやるのだろうか?それをオタクたちは受け入れられるのだろうか?
もちろんヤナミューの楽曲は誰かが歌い継いでいって欲しいとは思う。あんな唯一無二の楽曲が音源でしか聴けなくなるのは寂しいし、ライブの轟音で浴びてこその楽曲ばかりだからだ。
だがそれなら別のグループを新しく作って、曲だけ歌い継いでいくやり方ではダメなのだろうか?ここから新体制に加入するメンバーにかかるプレッシャーもあまりに大きくないか?……色々なことを考えてしまう。
もちろん現時点では今後について何も発表されていない。新体制というものに私も現時点では否定的だが、そんなものを吹っ飛ばすくらいの新たなヤナミューが見てみたいのも確かだ。
メンバーの皆さん、運営の皆さん、関わったアーティストの皆さん、本当にお疲れ様でした。皆さんに対して感謝と尊敬しかありません。本当にありがとうございました。
(了)
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