名前に纏わる話

自分の名前、好きですか?私は割と好きです。旧姓も今の名前も。下の名前は、割とありふれている名前なんですけどね。皆さんは名前って、誰が付けました?私は自分で付けました。「どうやって?」と思うでしょう?


私には姉がいるのですけど、姉が生まれた時、父が神社に行って神主さんに名前を付けてもらおうとしたそうなんです。父も生まれた時に祖父がそうしたらしく、父の名前は神社で付けてもらった。なので、姉にもそうしようと思ったら、神社の神主さんに「名前は親が付けるのが一番ですよ」と言われたそうなんです。そこで色々考えて、母と相談して自分で名前を決めさせることにしたのだそうです。


まず、父と母で好きな名前を三つずつぐらい考えます。考えた名前を札に書きます。その札を生まれたばかりの姉に一枚ずつ渡します。ギューっと長くしっかり握った札、それを名前にしたんだそうです。画数とかも普通は考えるのですけど、女の子なので将来は苗字が変わるからそんなに気にしなくても良いと神社で言われたとか。その付け方で私も自分の名前を付けました。当然全く覚えていないんですけど(笑)自分で選んだということで、満足感はあります。


他の候補にはどんなのがあったの?と母に聞いたことがあります。「ゆみこ」とかあったそうです。後は忘れたと言っていました。もし「ゆみこ」だったらどんなだったのかなぁ。「ゆみちゃん」とか言われていたのかなぁ。「胡蝶」やめて「ゆみこ」にしようかな?「中村ゆみこ」普通だ。


こうやって自分で付けたのですけど、ちょっと曰くありげなんです。当時、大人気の女優さんがいました。実はその女優さん、父の小学校の時のクラスメイトで、家も近く誕生日会に呼んでもらったことがあったそう。「その時は女優になるような雰囲気は全く無く、クラスでも大人しくて存在感があまり無いような子だった。ニックネームがオバケだった」と父。それから20年くらい経ってからその子がテレビドラマに出るようになって大人気になったらしく、その時の役名と姉の名前が同じなんです。そして、私の名前はその女優さんの本名(下の名前で漢字も一緒)なのです。母はその事はその時は知らなかったみたいで、割とその女優さんのファンだったのですけど、それを聞いてから「騙された!!」と言って怒っていました。「どうりでその女優が出てるとコソコソとテレビ見てるなぁ」と思っていたそうで、それからその女優さんがテレビに出るとチャンネル替えていました。父は「そんな事あるか!!」と言って全否定していましたけど、限りなく黒に近い(笑)父の初恋なのでしょうか?(笑)帝国軍人みたいな顔して父も隅に置けないなぁ(笑)


母はその女優さんを嫌っていましたけど、私はなんだか親近感があって結構好きです。佇まいが私のバレエの先生に似ていて、ビシッとしていてなんだかカッコいいのです。キライになれないなあ。黒なのかグレーなのか、私にはどっちでも良いのですけどね。


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