第2日目 〇〇〇公園編1

ジャンル/ヒューマンドラマ、日常系


あらすじ/ 今日はポン菓子専門店『南天屋』が定休日で、天は家でゴロゴロして暇をしていた。

すると、そこに空木と葵がやって来る。

空木は所沢駅少し歩いたところに面白い公園があるからそこに散歩しに行こうと提案。3人はその公園に向かう事になった。


登場人物  南 天 (南天ポン菓子屋現七代目店主)


      


      小雀 空木 (天のおさ馴染み)



      紅葉 葵 (宝くじ売り場店主)


計3名 女性


第2日目 〇〇〇公園編1


今日は、水曜日。南天屋の唯一の定休日だ。


なので、そらは自宅兼南天屋の奥にある和室でゴロゴロしながら暇していた。


昼11時頃、やる事がないので本を読むことにした。実はそらは意外とこう見えても読書家なところがある。


今読んでいるのは、フランスの作家でフランソワーズ・サガンの『心の青あざ』を読んでいる。


ちなみにそらはフランソワーズ・サガンのファンだそうだ。


1番は、サガンの『草の中のピアノ』が好き。


そらがペラ、ペラと小説を読んでいると、そこに空木と葵がやって来た。


〈空木〉うぉーす!!


〈葵〉おーす


〈天〉……ん


〈空木〉なになに? つれないね、なに読んでるの?


〈天〉……


〈空木〉ねえねえ! 何読んでるの?


〈天〉ん


この天による無視対応により空木はイラッときて、天の胸ぐら掴んで叫んだ。


〈空木〉てめぇ!無視すんなよ!! 寂しいだろうがよ!! このやろう!


〈天〉あ空木、ヤッホーいつ来たの?


〈空木〉なに!? 今かよ? ショック……


〈天〉こいつなにショック受けてんの?


〈葵〉あんた、容赦ないわね


〈天〉は?


〈葵〉で? なに読んでんの?


〈天〉あ、これはサガンの心の青あざって作品


〈葵〉知らないわ


〈天〉だろうね


〈葵〉そらって、意外と読書家よね……


〈天〉そう? サガンは有名だけどな


〈葵〉あそう


〈空木〉説明しよう!


〈葵〉あ、蘇った


〈空木〉そらはサガンが好きなの! フランソワーズ・サガンってフランスの作家なんだって!


〈葵〉へえー、空木詳しいわね、好きなの?本


〈空木〉全然! 好きじゃないよ


〈葵〉え?


〈空木〉コイツと何年も一緒にいると詳しくなるだけ


〈天〉嫌味か?


〈空木〉そんなこと無いですぅ〜


〈葵〉なるほどね


〈空木〉てか、そらのすけひま〜


〈天〉なんで、暇だから家くるんだよ! 仕事はどうした!?


〈空木〉お客さんの都合で先延ばしで今日はキャンセルになったよ、明日から仕事、だから暇


〈天〉あそう、で? そちらのお姉さんはどうしてここにいるのかな?


〈葵〉今日は弟が帰ってきてるのよ、それで店閉めて夜ご馳走たべに行く、休みになった


〈天〉なんで! 今日に限ってお前ら休みなんだよ!


〈空木〉運命共同体?


〈天〉やかましいわ!


〈葵〉まあまあ、それで暇だからここに


〈天〉他行けよ!


〈葵〉いや、それが空木が面白い場所あるから、そらも誘って散歩がてら行こうって


〈天〉ほう、面白い場所? どこだ?


〈葵〉チョロいな


〈空木〉そうそう、そこね所沢駅から少し歩くんだけど、公園なんだよね


〈天〉公園?


〈空木〉そう、公園


〈天〉公園って、私たち行き尽くしてるじゃん特に所沢市市内とか尚更やん


〈葵〉ところが、そうでもないみたいよ


〈天〉は?


〈空木〉そう、そこはある伝説があるの


〈天〉伝説? 桃太郎伝説?


〈空木〉いや桃太郎は出てこない


〈葵〉ぷッ……ちょ……フフフフ


どうやら天の真顔の桃太郎伝説に葵は笑った様だ。


〈空木〉葵?


〈葵〉いやごめん、つづけ……んふふふ、つ……


〈天〉え? いやめちゃツボ浅いじゃん


〈葵〉ヒーヒーフー…… どうぞ


〈空木〉あ、じゃあ話すね


〈空木〉そこはね、ただの公園じゃないの、なんと地獄に通じる公園らしい


〈天〉地獄に通じる公園!?


〈天〉という事は、鬼ヶ島に行ける!?


〈葵〉ちょっ…… そら、やめて……ふふふ


〈天〉ふ、ふふふ


〈空木〉お前も笑うのかよ


〈天〉今のは葵が悪い、笑うもん


〈空木〉いやそらが悪いだろ、どっちかというと。ていうかお前ら落ち着けよ!


〈葵〉ふ〜、えーと大丈夫


〈空木〉おけ、で、そんな伝説があるの


〈葵〉え、まって、ということは地獄に行ける公園ってこと? 通れるの?


〈空木〉そう、地獄にいける公園


〈天〉ほんとかよ


〈空木〉葵はともかく、私とそらはこの辺よく知ってるでしょ? なにが不思議かってその伝説を今日まで知らなかったって事。私たちはここが地元だし、産まれた時からここで暮らしてきたけど、噂さえ聴かなかった、おかしくない?


〈天〉ん、たしかに


〈葵〉それはおかしいわね、1度も聴いたことないの? 空木はその話だれから聴いたん?


〈空木〉私は昨日近くの安食八百屋にニンジン買いに行った時に、おじさんから聴いたよ、たまたまね、今日みんな休みって聴いたから今日誘った


〈葵〉なるほどね、そらはどう思う?


〈天〉どうもこうも、この場所に住んで20年1度も聴いたことない、というか今初めて聴いたよ。でも面白そうやな


〈葵〉あんたそういうの本当に好きね


〈天〉だって、ワクワクするじゃん!


〈葵〉そうね


〈空木〉でしょ! 面白そうでしょ! そこ行ってみない!?


〈天〉うん! いいね! 行こう! ちょうど暇してたし!


〈葵〉え…… ほんとに?


〈空木〉なに、葵? 行かないの?


〈葵〉いや、ほんとにあるの?


〈空木〉本当にあるみたいだよ、というか確かめようよ、あ、もしかして怖いの?


〈葵〉いや、そういう訳じゃないけど


〈空木〉じゃあ、行こう


〈葵〉わかった! 分かったわよ!


〈天〉あ、お腹空いたから途中でなにか食べよう


〈空木〉そうだね


〈天〉よし! 行こう!


こうして3人はその地獄と通じるという伝説の公園へとまず所沢駅に向かうことになった。面白そうという理由で行くことにした。


果たしてその奇妙な公園は本当にあるのだろうか?


葵はともかく、空木と天はルンルン気分でその公園に向かっていた。


その公園とは、一体なんだろうか。



ー #2 〇〇〇公園編1 ー つづく



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