第3日目 〇草〇公園

ジャンル/ヒューマンドラマ、日常系


あらすじ/ 天、空木、葵の3人は伝説のある地獄に通じる公園に所沢駅に向かった。その公園は、所沢駅から歩いて20分ほどあるのだが、その辺の公園は3人とも行き尽くしているのになぜ聴いたことないのか不信感を抱く。そして地図にも載ってないということで手がかりがなく、3人は深井狛犬神社へ聞くことにした。そして、ようやく場所を突き止め、向かうのだが?



登場人物  南 天 (南天ポン菓子屋現七代目店主)


      


      小雀 空木 (天のおさ馴染み)



      紅葉 葵 (宝くじ売り場店主)


深井 敏 (深井狛犬神社経営者・坊主)


計4名 女性3人 男性1人



第3日目 〇草〇公園


3人は少しプチ冒険気分で公園に向かっていた。

そらたちは所沢駅を降りると、まずお腹空いたのでなにかを食べることにした。


〈天〉空木、葵なに喰う?


〈葵〉そうね、豚の丸焼き


〈空木〉アホか!? 豚の丸焼き売ってるところあるわけないだろ!


〈天〉いや、そうでもないぞ


と、天はあるお店を指さす。そこには『平原丸焼き専門店』というお店だった。なんでもそのお店は珍しいお肉などを扱う丸焼き専門店で、豚の丸焼きも食すことができるそうだ。全国的にも珍しい丸焼き専門店。


〈空木〉なんであるんだよ! ふざけんな!


〈天〉本人は本気だぞ、空木


〈空木〉うるさいわ! 真顔で言うなしっ!


〈葵〉冗談だったのに……


〈天〉と言うか、丸焼きはやめよ金がない


〈空木〉たしかに


〈天〉で? なに喰うよ?


〈葵〉あそこの焼き鳥屋で何本か買って食べましょうか


〈空木〉肉、好きだね


〈葵〉もちろん


〈天〉じゃあそこ行くか


3人は、焼き鳥屋で焼き鳥を買った。


〈空木〉どうせなら食べあるくか、この辺ゴミ箱も多いし


〈天〉そだな


そらたちは焼き鳥屋を後にし、再び公園に向かった。


〈天〉これうま!


〈空木〉そらは皮好きなもんな


〈天〉食べやすいから好き


〈葵〉便利性で求めたか


などとワイワイ話しながら歩いていた。


〈天〉その公園ってさ、どの辺にあるの?


〈空木〉噂だと、駅から20分歩いたところにある神社の近くにある、しかもその神社は葵もそらもいったことある神社だよ


〈葵〉え? そうなの?


〈天〉どこ?


〈空木〉そう深井狛犬神社だよ


〈天〉げっ! あの変なジジイのいる神社!?


〈葵〉しかも、神社の名前に狛犬って入ってるのにシークァーサーが二匹並んでる訳の分からん神社ね


深井狛犬神社、そこは昔から恋愛の神がいるとされる所沢市で少し有名な神社。名前に狛犬とあるのに、何故かシークァーサーの銅が2匹並んでいる。恐らく好きで建てたのだろう。


〈葵〉思い出したわ、恋愛のおまじないがあるとかで高校の時来たことあるわ


〈空木〉おっと? ここで葵選手の恋バナかな?


空木は葵の過去の話を煽った。


〈葵〉今そんなことどうでもいいでしょ!公園の話でしょ!


〈空木〉はいはい


〈天〉どうでもいいけどさ、あのジジイちょいスケベだったよな


〈葵〉あ、それで恋愛の神?


〈天〉それじゃあ変態の神じゃん!


〈空木〉まあともかくあの神社の近くだって


〈天〉でもそれは変だな、そんな公園あったか?


〈葵〉たしかに、噂にもなってないわね


〈空木〉でしょ、そこが分からないんよね


などと、食べつつ歩きながら公園について色々考察し考えていると、あっという間に深井狛犬神社に着いた。


〈空木〉遂に着いたな、変態神社


と、空木は真顔で神社に向かって言った。


〈葵〉ふふ……


そこに葵がニヤける。


〈天〉はっ!? やめろ! この場面でその真顔で「遂に着いたな、変態神社」とか、真剣に言われたら笑うだろ!


〈天〉で? ここからどう行くの?


〈空木〉ん〜、それがね地図にも載ってないんだ


〈葵〉え!? 地図に載ってない? それ大丈夫なの?


〈空木〉あるにはあるらしいんだけど、出てこない


〈天〉なるほどな、わかった


〈空木〉ん? なにが?


〈天〉要するに、深井のジジイに聞けばいいんだろ、だってコイツの近くならアイツが知ってるかもしれない


〈空木〉お〜! なるほど


〈葵〉それリスクあるんじゃぁ……


〈天〉大丈夫だ、そこは大丈夫ついてこい


すると、3人は神社の階段を登った。段数はそこまで多くない。あっという間に登りきった。


〈空木〉遂に、着いたな……へんた……


〈天〉だからやめろ!


と、天は空木をビンタした。その同時に空木はゴフッと言いながら、吹っ飛んだ。


〈空木〉あ、アイのムチ……


空木はそらにビンタされてなぜか喜んでいるように見えた。


〈天〉なにがやねん


〈葵〉もう早くいこ


颯爽と神社内に入った。


〈天〉あの坊主いないな〜 中かな?


そらは深井神社の横にある家をピンポーンが無いのでトントンとノックをした。


すると、中から男性の声ではぃと、いを下げて返事してきた。そして扉が開いた。


〈天〉やあ、深井のおじさん


〈深井〉ん? なんだそらたちかじゃないか、何の用だ?


〈天〉あのさ、今更だけどインターフォン付けろよ


〈深井〉なんだ、そんな事言うためにここまで来たのか?


〈天〉いや、じゃなくて地獄に通じる公園について聴こうと思って!


すると、その公園のことを聴いた深井さんは険しい顔で家の中へと通した。それはいつものアホ顔の深井さんじゃなかった。


〈深井〉ほう…… 地獄の公園か、いいだろう入れ


〈天〉なんだよ、急に目付き変わりやがって


〈空木〉これはなにか知ってそうね


そらたちは公園の事を聞くために中に入った。


〈深井〉そこに座れ、寒いだろ


〈天・葵・空木〉ありがとうございます


そらたちはコタツの中に入った。


〈深井〉で、なにが聞きたい?


〈空木〉地獄に通じる公園の場所を知りたい!


〈深井〉場所? あれ? お前ら行ったことなかったか?


〈天〉まって! その口ぶりは私たち行ったことあるの?


〈深井〉ん〜 葵ちゃんは分からんがそらと空木は行ったことあるかも


〈空木〉え!? どういうこと?


〈深井〉ハッキリ言うが、そこは正式には地獄に通じる公園ではないく「血之中池公園」と呼ばれる公園だ、だけど地獄に通じるかどうかと言われるともしかしたら本当かもしれない。そんな言い伝えもある


〈空木〉ち、血之中池公園!? なにそのおぞましい名前


〈葵〉伝説は本当かもしれないんだ……


〈深井〉そうだ、もっと正式には…… いやなんでもない。まず何を話そうか? その公園は、昔戦国時代、池は血の様に紅い色をしていた、なぜかわかるか?


〈天〉な、なにかあったのか?


〈深井〉そこはな、あやめた武士や農民の血で紅く染め上がった池、通称血之中池の呼ばれるようになったそうだ、この話のほうが有力だ


それを聴いた3人は怖くて青ざめていた。


〈深井〉そして、夜になると…… その住人たちが


〈天〉まった!! そこまででいい!


〈深井〉なんだ? もういいのか? ここからが面白いのに


〈天〉どこに面白さがあるんだよ! 早く場所教えろよ


〈深井〉なんだ、行くのか


〈天〉あ、当たりまえだろ! ここまできて帰れるか!


〈深井〉そこまで言うなら教えよう、行くのは簡単だ、この神社を出て右に進むと5分ぐらいして小さな石作りの階段があるはずだ、そこを登ると公園に着く、はい! 行ってらっしゃい!


〈空木〉そ、そこか、なんかコワ


〈深井〉大丈夫だ! 安心して行ってこい!


と、深井さんは笑顔でグッドしてきた。


〈天〉他人事だな、おっさん


〈葵〉とりあえず、行ってみようか


〈天〉そうだな、おっさんありがとう!


〈深井〉おう! 気をつけてな!


そらたちはようやく場所が分かり、その血之中池公園に向かうことにした。


果たして、どんな公園なのか。名前の通りその公園の池は紅いのだろうか、 それとも伝説は本当なのか?


色んなことを考え、少し怖くもそらたちはその公園へと向かった。


ー 3日目 〇草〇公園 ー つづく


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