第序章
プロローグ
俺は一人で居るのが好きだ。
誰にも気を使わなくて済む、「
──の、はずだった。
中学時代は、小学校からの付き合いの人が多く、周りとのコミュニケーションを取らずともどうにか「
なぜ、いじめを受けているのか、自分でも良く分からない。ただ、「自分がいじめを受けている」という事実は確かだ。
そのいじめは毎日のように起きていた。
俺が学校に朝来ると、上履きには
しかし、昼休みや放課後、直接手を出してこない辺りはタチが悪い。机の落書きの水性ペンも、もしもの為に消せるように水性ペンで書いたのだろう。
なので俺は、入学してから半年が経とうとしている今、その主犯格が誰なのか分からないままだ。
そんな日が毎日続く中でも俺は、いじめについて、相談できる友達も居ないし、母親にも迷惑をかけたくないため、何事もないように学校へと向かっていた。
俺の家はかなり貧乏の5人家族で、俺は上から三番目の三男で、19歳の姉はこの家を出て行き、17歳の姉は女子校へと行き、13の妹は中学三年生。そしてその四人を、父親が出て行ったため、母親が一人で支えているのだ。
そんな、毎日働いている母親に、そんなこと相談したら俺の事を心配して自分のことに集中できなくなるだろう。
なので俺は、バイトしたお金で落書きされて使えなくなったノートを買ったり、カラーペンでカラフルに文字を書かれ彩られてしまった上履きを買い変えたりしてバイト代を使っていると、自分の欲しいものは買えないし、母親にバイト代の一部を渡すことも出来ずにバイト代が尽きてしまう。
そんなでも、何か取り柄はあるんじゃないか? と、問われれば、迷わず「NO」と答えるだろう。
俺は、勉学は中の中、運動も中の中で、ほとんど卒がなく、器用貧乏であるが、顔は良いらしく、中学校では6回ほど告白されたことはあった。
しかし、付き合っても長く続かず、所詮顔だけで俺の事を選んだ女だ、俺の家を見たら皆揃って幻滅し、別れた。
そして今日も、陰湿ないじめが行われているのだろう。
憂鬱。そんな日々が憂鬱だ。
そうだ。そんな日々じゃなきゃ憂鬱じゃないのなら、今日はちょっと違う日にしようか。
そして俺は、落書きされて、学校では使えなくなったノートの1ページちぎり、母親へのいままでの感謝と、その他色々書き、古くさい六畳程の部屋を出た。
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