二度も死んで、チート能力を貰いすぎた俺が現世に帰ってきたら、一緒に異世界も現世へと侵略しに来たようです。(仮)

時雨 しふ

俺の独白 (二度死亡済み)

 皆はタンスの角に小指をぶつけてタンスを壊してしまった経験はあるだろうか。

 俺にはある。

 他人のタンスを壊してしまった時の罪悪感は半端じゃない。俺は謝れるが、相手は俺の事を怒ることが出来ないのだ。だってしょうがないことなのだもの。


 そんなことはいいのだ。



 魔物と戦ってる時、魔物が俺の攻撃を避けると、魔物の後ろにあるビルなどが崩落し、それで被害者が出てしまうかもしれないし、大魔法なんて使ったら街が木っ端微塵になってしまうので、この世界では俺の本領を発揮出来ないらしい。


 だが、他にも、もうひとつの本気を出せない理由があった。

 それは、この世界に侵略して来た異世界の陣営には──



 ──俺の命の恩人の王女様が居るからだ。

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