高二の一学期

学校での俺

俺は「坂本さかもと 蒼汰そうた」17歳、高校二年生だ。

オタクでもマニアでもない。コレクターだ。

コレクターと言ってもフィギュアとかではない。

ゲーム機の収集だ。例えば天神堂とSunnyが共同開発していたという

伝説の周辺機器「Galaxy Station」なんてものを集めたり。

とは言え1990年代ぐらいのものを集めても仕方がない。

この趣味のせいで周りから変人として見られることがわかった。

だから高校入学してから一度もバラしていない。

この趣味を除けば女子ウケ抜群なスタイル、顔付き。完璧なようにも見える。

一応付き合っている人はいる。

同じクラスの「氷川ひかわ 静流しずる」だ。

彼女は以前学年の「嫁にしたいランキング」なんてもので何故か最下位だった。

まぁ同学年の女子の殆どが「ギャル」だの「ビ○チ」だの、(性的な興奮を覚えるといった意味で)男ウケしやすいのが人気上位だった。

もちろんと言うぐらいなのでどの程度か気になる人もいるだろう。

「おはよう、そう。ウチと交わらない?」

登校してすぐこれだ。ちなみに数値化するなら7/8八分の七だ。

「冗談でもそんな事言わない。」

そう言ってこの場を離れる。他校より施設の充実しているこの学校は自由行動ができる範囲内に「ノブナガ ショップ」と言うコンビニ―と言えども実質は田舎の商店で仕入先がノブナガ製パン―がある。

自動販売機も校内だけで20個ほどある。ということは休憩室が10個ほどあるわけで…いや休憩室を教師用を除き全て数えると50はある。

30は成績の良い生徒を学年で10人ずつ、2が性的なものを(一人で)晴らすための、外側から開けることのできない(緊急時除く)もの。役割別が10個ある。

役割はどうでもいいが…とにかくだ。

静流は学年順位が常に10位以内なので同じ休憩室を使い続けられている。

俺は割と落ちこぼれで学年順位はおおよそ半分のあたりに居る。

休憩室を(自分から)使う資格は無いが、許可された場合は除く。

彼女は俺を許可していた。彼女は校内の空気が嫌いなようで、とは言っても一人で過ごしたくなくて俺の入室を許可していた。

この学校では全校生徒が「深海」の装着している…しなければならない。

授業は教室に居なくてもできる。「深海」がそれを可能にしていた。

学校では「深海」を使って彼女が使用している休憩室で彼女と一緒に出席している。

深海には「ワイヤードコネクション」や「ニアバイコネクション」と言う機能もあり彼女の深海と俺の深海を有線接続しながら出席していた。

これには意味があり、二人で得意分野の回答のやり取りができる訳だ。

こう書くと「常にカンニングしてんじゃん」と思うだろうがどうしてもわからないときだけだ。そうでもないと相手のためにもならない。

回答も解説付きでやり取りすることにより今後の応用問題にも効率的な回答ができる。

…この日も結局普通に午前中を過ごした。

昼食は彼女が作ってきた弁当だ。ここも日常いつも通り。

深海をニアバイコネクション(Wi-Fi Directのようなもの)でつなげてそっちで会話する。

そして彼女が突然キスを要求した。

…望み通りキスをした後、もう少し雑談的な感じで話して午後の授業を受けた。

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