サファイアの魂

秋雪 こおり

サファイアの魂 レガシー

プロローグ

VRマシン「深海」

2050年代。人類はフルダイブ型VRゲームを楽しむことがそこらのコンシューマー機のゲームより良かった。

動いた気持ちになれるし。

欠点はもちろんダイブ中は意識がゲーム世界の中にあり、現実の肉体は仮眠状態になる。

その上筋肉もつかないわ、運動しても消費しないわ、ゲーム内で食事をしても栄養価はないわ。

当たり前のことだった。

「深海」はワイヤレスイヤホンのような形状のデバイスである。

利点としては2040年代のVRマシンとは違い小形でARを使うことができる。

例えばパソコンの画面。

「深海デスクトップ」と発言するとVR仮想空間で表示するのに対し、

「深海ARエー・アールデスク」と発言した場合は視界の中にウインドウが表示される。

決定的な違いである。

ARを使う便利系ソフトに対しVRを使うのはゲームなどの実際の動作ができないものが多かった。

「ブートサファイア!」

彼もVRMMOの虜になっていた。

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