皇都第一中学校の生徒会選挙9
「??」
千代は秀二の言葉の意味がよく分からなかったがひとまずついていった。
◇
書類の入ったカバンを持ち、秀二の後ろをついていく千代。
現在二人は国会議事堂の廊下を歩いている。皇都第一中学校も立派な建物だがこの議事堂はそれに劣らないほど立派なものだ。千代はまたもやここでもきょろきょろと周りを見渡してしまう。
「思う存分見ておけ。めったに入れるところじゃないからな」
千代が入れているのは言うまでもなく秀二のおかげだ。
やがて秀二と千代が歩いていると二人の人物と会い、足を止めた。一人は千代も知っている人物だ。
「あっ!」
「あなたは千代さん。それと……秀二君。清水……なるほどね。千代さん、あなた清水家の養子なのかしら?」
そう言った陽菜の顔は千代が初めて会った時に見せた固い表情をしている。今にしてこの表情は警戒している表情だと千代は気づいた。
秀二が千代に耳打ちする。
「気にするな。現在、皇国には多くの政党が存在するが大きく分けて二種類の勢力に分けられる。一つは政府系の飯田派と呼ばれる勢力。もう一つはそれに反対する反飯田派だ。俺と陽菜さんは別々の勢力に属している。当然、俺や千代に警戒心を抱くだろうな」
さらに言えば衆議院の議席の内、反飯田派は過半数を占めている。では反飯田派のメンバーで内閣を結成したのかというとそれは違う。その証拠に現在の総理大臣は飯田だ。
ではいったい総理大臣はどのように決められているのか?それはかつて国に功績のあった人たちで構成された元老院が決めている。だからこそ飯田は総理大臣になることができたのだ。
しかし、過半数を占めているのは反飯田派なので政府が提出した案は衆議院ではその多くが否決されている。飯田派苛立ち、対立は激化の一途をたどっている。
もっとも憲法上、衆議院より強い力を持つ貴族院の存在もあり、反飯田派はなかなか思うように動けていない部分もあるのだが。
「秀二君、もう手遅れかもしれないけどこちら側に来なさい。いつまで飯田なんかに協力しているつもり?」
こちら側というのは反飯田派の事だろう。陽菜は会うたびに秀二を勧誘している。
「陽菜君、やめておきたまえ。確かに彼の兄、凛太郎君は素晴らしい政治家だったが、だからと言って彼がそうであるとは限らない。現に彼は若くして飯田の右腕と言われるほどの政治家だよ」
そう陽菜にあきらめるように言うのは同じく反飯田派に属する細川信一だ。
この二人は反飯田派の中心人物にも数えられる。
「細川さんの言う通り、僕は断らせてもらいますよ、陽菜さん」
そんな陽菜の誘いをあっさりと断る秀二。
秀二を千代が見つめる。その目はなぜ断るのかと言いたげな様子だ。千代からすれば陽菜こそが理想の政治家だろう。そんな陽菜の誘いを断るなど信じられないようだ。
やがて陽菜と細川はもう会話は終わったとばかりに歩き始める。
「陽菜さん、今日は僕からも話があるのですが」
秀二がそう言って陽菜を呼び止める。
「あら、話はもう終わったと思っていたのだけど」
「ええ、ですから別の話です。皇都第一中学校の生徒会選挙についてなんですが」
「!」
この言葉には横で話を聞いていた千代も反応する。
「……わかったわ。細川さん、すみませんが先に行ってください。秀二君、そこの部屋で少し話しましょう」
こうして陽菜、秀二、千代の三人は議事堂の一室に入っていった。
◇
*この作品はフィクションです。
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まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。
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