皇都第一中学校の生徒会選挙8
「あら、お帰り千代ちゃん」
家に帰ってきた千代に声をかけた文江だが千代の様子がおかしいことにはすぐに気が付いた。
「何かあった?千代ちゃん」
「えっ」
「顔に書いてあったから」
それほど表情に出てしまっていたらしい。千代は思わず自分の手で顔に触れる。
「困った時は何でも相談するのよ」
「ただいま……。何かあったのか?」
帰ってきた秀二もその場の雰囲気で何かがあったことだけは察した。
自分たちで考えても解決しない。そう考えた千代は事の顛末を話すことにした。
◇
「二十九票獲得か。美咲の考えではその信也って子に入る票はせいぜい多くて五票と考えていたわけね」
「……うん」
千代に連れられ、落ち込んで帰ってきた美咲を陽菜はなんとかなだめ、事の次第を聞き出していた。
「事前にクラスメイトも多くが美咲に票を入れると言ってくれていたのにも関わらずこの差は……。それだけの数の生徒が一斉に裏切るなんてとても現実的じゃないし、いったい何が?」
これが今回の選挙の最大の謎にして問題なのだが、陽菜にはほかにも気になる点があった。それは津田が仕事を休んでいたということだ。この教師は陽菜が知る限り、今まで休んだことなど一度もない。風邪をひいても教壇に立とうとするような人だ。果たしてそのような人が大事な選挙の日に休むだろうか。
「……」
「大丈夫、大丈夫だから」
いったい何があったのだろうか、陽菜はあらゆる可能性を考えた。
◇
翌日も千代は学校に登校した。美咲も来ていたが相変わらず元気がない。
代わりにいつも以上に信也はやんちゃだった。いや、やんちゃというには度が過ぎる。千代は悔しくて仕方がなかった。
また、この日も津田は休んでいた。もしかすると明日も来ないのかもしれないと千代は思った。
その日の放課後、千代は美咲といつもの元気はなく、ただ一緒に帰った。
「お帰り。千代」
千代が家に帰ると珍しく秀二が先に帰っていた。
「悪いがこの書類の入ったカバンを持つのを手伝ってくれないか」
「かまいませんがいったいどちらまで行くのですか?」
「国会議事堂まで行く。ついてこい」
*この作品はフィクションです。
* * *
まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。
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