皇都第一中学校の生徒会選挙5
「学ぶべきは人間社会、現代社会か……」
学校への登校中、千代は秀二に言われた言葉の意味を考えていた。秀二の言いたいことを千代は理解していたが具体的にどう学ぶかはまだわからずにいた。
「おはよう千代ちゃん!」
その道中、美咲が声をかけてきた。
「おはよう美咲ちゃん」
「今日の放課後に私の家に来ない?学級代表を決める選挙に向けていろいろ話し合おうと思うけど、どうかな?」
生徒会選挙の前哨戦である学級代表を決める選挙戦は当然重要だ。特に断る理由もない。事前に秀二や文江からは友達からの誘いがあったときは家のことはかまわないで行ってきなさいとまで言われていた。こういうことを見越してだろうか、少し気は引けるが千代は美咲の誘いを受けた。
「うん、いいよ」
「ありがとう!じゃあ放課後よろしく!」
◇
学校に登校し、授業が始まる。皇都第一中学校の授業に不満はない。むしろとても満足している。設備は整っており、千代は地元の学校との違いに驚かされてばかりだ。
とはいえ不満がないわけではない。
例えば――
「はっ!千代、お前そんなことも知らないのかよ!」
先ほども述べたように千代は地元の学校との違いに驚くことがあるのだが、そのたびに信也がからかってくるのだ。
ほかにも、信也は勉強ができないわけではないので成績があまりよくない生徒を馬鹿にするなど、いろいろちょっかいをかけている。千代は入学前から秀二に勉強を教えられていたので幸い成績はよく成績も信也より良い。この点関しては秀二に感謝している。もっともその成績の良さが信也の癪に触っているのかもしれないが。
そんな学校生活が終わり、放課後、千代は美咲の家に向かっていた。約束通り選挙に向けての話し合いをするためだ。
「ようこそ、遠慮せずに入って!」
「お、お邪魔します」
初めて入った美咲の家だったが千代は少し親近感を持った。決してきらびやかではないが優雅さを感じるこの雰囲気、どこか千代の住む秀二の家に似ている。
「正式に立候補する日が近いからそろそろ何をするのか決めておかないとね。でも何から考えればいいのか……」
話し合いが始まるが千代には具体的な考えが浮かばない。もともと千代は生徒会の存在すら知らなかったのだ。
「ふっふっふ!」
美咲が何やら意味深な笑みを浮かべる。
「何か考えがあるの?」
「ない!」
「え~」
何かあるのかと期待し、聞いた千代だったが美咲ははっきりとそう言い切った。
「私にはね!そこで今回はアドバイザーを用意しました」
そう言って別室にいたのだろうか、美咲によく似たきれいな女性を連れてきた。
「紹介するよ、千代ちゃん。現衆議院議員、元皇都第一中学校の生徒会副会長の私のお姉ちゃん!」
「京極陽菜と言います。いつも妹がお世話になっています」
*この作品はフィクションです。
* * *
まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。
皇国の清水秀二は毎週土曜日22時ごろに投稿する予定です。
宿題や課題で忙しく、投稿できないこともあるかと思います。ごめんなさい。
Twitterを始めました。小説のネタになりそうな話や簡単なイラストなどを投稿しようかと思っています。初めに言っておきますと絵は下手です。中学の美術の成績で5を取ったことがあります。10段階でね‼
Twitterには僕のプロフィールや近況ノートからとんでいただけると思います。
こちらの小説も書いています。興味があればどうぞ!
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タイトル:reincarnate
ジャンル:異世界ファンタジー
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