22話 その恋、未だ知らず
「すごい!美味しそう!!」
「流石に今日は豪華だな!!」
食卓のテーブルにはいっぱいにおかずが並べられていた。
豚カツにハンバーグ、餃子や肉じゃが、ほうれん草のお浸しにサラダも盛り付けられていた。
「和洋中なんでもござれよ!今日は洋食無いけど…」
「これだけあったら十分ですよ、こんなに作るの大変ですよね、すいま…ありがとうございます!」
自分で料理するからこそ大変さを知っている。
そして大変でも食べて貰えることが嬉しいからこそ謝られるよりお礼を言って貰える方が嬉しいことを知っている。
「どういたしまして!さぁ!まずは食べましょう。食べて貰ってから感想がほしいわ!」
ご飯は優が皆の分装って優の母親配膳する。
手伝おうとしたが二人に座って待ってろと強く言われて待っていることになった。
「それじゃあ!皆」
「「「「「いただきます!!」」」」」
皆思い思いに好きなものを取り皿に入れていく。
「ん!とんかつの衣サクサクだね~」
「ハンバーグも美味しい。」
「やっぱ肉じゃがは家庭の味だよな~。母さんの肉じゃがは食べなれても飽きないから」
「誉めてくれて嬉しいけど照れるわね~。和人くんはどう?」
「…餃子も豚カツも一から作ってるんですね…すごく美味しいです」
「ああ、わかる?まぁ、餃子の皮は既製品だけど中のタネと包むのは自分でやったから手作りと言えるかしらね」
「母さん料理するの好きで手間かけるのも苦じゃないらしいんだ。有給消化で連休だったし仕込みが捗るんだってさ」
「…お浸しも美味しい…後で浸し地の割教えて貰っても良いですか?和食は余り作らなくて」
「良いわよ~」
俺は美味しい料理に舌鼓を打ちながら感想を言いながら料理の事を教えて貰ったりしていた。
「む~」
「…美味しいご飯食べてるのにむくれるなんて失礼よ」
「やっぱり男の子って料理出来る女の人のほうが魅力的にうつるのかな?」
「…誰に嫉妬してるのよ」
「だって~」
美鈴は楽しそうに優の母親と会話している和人を見ていた。
「そうだとして美鈴は料理できるの?」
「…覚えようかな…」
少しへこんだ美鈴を見て私はため息を吐く。
「別に和人は自分で料理できるんだから料理出来なくても対して気にしないと思うわよ。まぁでも料理出来るとプラスではあると思うけどね」
「…なんかホントに自信無くなってきた」
「じゃあ諦める?」
「諦めない!」
弱気になるくせしてそこは譲らず、寧ろ燃えている美鈴にやはり変わらないなと思う。
「だったらそれで良いじゃない。そんなことより明日のテストの心配でもしてたら?」
「…そうする」
再び気を落とした美鈴に心で頑張れと応援する。
自分もいつか美鈴の様に誰かを好きになれるのだろうか…
恋を知らない私は好きな人のために一生懸命になる美鈴が眩しくて、羨ましくて。
大切な親友だからこそその恋が実って欲しいと切に思う。
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