書き出し祭りを振り返って~自作「耳リフレ!!」に寄せられた感想を基に今後の展望を考えてみる~


 まずはみなさん、書き出し祭り2週間お疲れさまでした!!

 今回の記念すべき10回は、普段以上に感想の交流があり、とっても楽しませていただきました。


 えートップ宣言してましたが、結果は「第三会場3位」でした!!

 恥を晒していくぅ^~

 

 と、そんなことはもうどうだっていいので、さっそく本題の自語りに入らせていただきます☆



〇どうして「耳リフレ~」を書こうと思ったのか



 さて、まず今回お祭りに提出した「耳リフレ~」ですが、これを題材に選んだ動機は僕の中である不満があったからなんです。

 すなわち、


「今やYouTubeでたくさんの人がASMR動画を投稿し、DLsiteには全年齢でも成人向けでも毎日のように音声作品が出ている。2013年ごろからバイノーラル音声がじわじわと増えだし、それが当たり前になると今度はフォーリーサウンド! まさに進化を続けるオタクの環境トップジャンルだ……なのに、なのになぜ物書きはこれを題材にしない……なろうでも扱った作品が少なすぎてタイトル判定AIが正常に働かないぐらいだ。こんなのってないよ、物書きの敗北だよ……」


 という不満です(笑)。いやー昔からDLsiteに居座ってるキモ・オタクに相応しい動機ですね。


 思い返せば2年前、僕のスタートも似たような動機からでした。


 pixivの成人向け小説で〇葉合わせのカタカナタグ(だいぶ隠した表現)を検索しては、「こいつは分かってない!」と生意気な怒りをぶつける日々。

 それが閾値を超えたとき、「分からせてやる、真のズ〇キチというものを!」と一大決心、晴れてデビューしたのです。


 ならば、今回も僕がやるしかないでしょう。

 

 「文章で五感を刺激し、あたかも実際に体験しているかのような没入感を読者に与える」


 官能小説家の端くれとして、自分の興奮をみんなの興奮に変換しよう。

 ついでに自分で自分の欲しいものを供給しよう。

 終いには読んだ人をことごとく自分と同じ性癖にしてやろう。

 

 それが僕の原点です。

 誰もやらないなら自分がやるぞい!

 プロアマ問わず参加者全員、分からせてやる(マゾだから負ける)





〇掛け算する要素はどう決めたのか


 ここでいう「掛け算」というのはどういうことを指すのかを、編集者つっつー氏の動画「新人賞コンテストの裏側と突破法」からの受け売りで説明します。


まずアイディアの核となるのが基本編です。


●基本編

・得意分野 (好き、興味、嗜好)

 図書館で調べ物をしてアイデアを膨らませる


・仕事/学業 経験の伴った専門分野 

 まんま知識を披露せず、俺tuee要素(エンタメ)に 変換する


・人生環境 

 家庭環境の違い、過ごした学校の違い、生い立ち



「なろう小説」基準なので俺tueeという単語が混じってますが、要するにエンタメのことです。

今回は「耳かき」「ASMR」を軸にしたかったので、これらは確定。

嗜好と専門分野が半々で混じったチョイスですね。




次に注目する応用編が主題である「掛け算」の要素となります。


●応用編 

・×ジャンル(ラブコメ、SF)

ただしジャンルの中での掛け算は難しい 主体をはっきりと


・×レーベル媒体      

応募する媒体のニーズを事前に調査する


・×流行(妹、異世界)   

意識しすぎると、作者も読者も面白くなくなる

→どんどんニッチ化 




 書き出し祭りでいうなら、レーベル媒体は「小説家になろう」でしょうか。

 そこで第9回のラブコメの躍進に注目し、数か月後でブームが変わっている可能性もありましたが、先人の成功に倣うのが無難だろうと「ラブコメ」を選択。


 さらに「小説家になろう」を意識し、自分で読むときはあまり手を伸ばさない「長文タイトル」へ挑むことを決意。レーベルへの意識ですね。


 そして当時の流行は間違いなく「幼馴染」で、今でもまだ勢いは続いてることから、この要素は必ず入れると決めました。

 そして「どうせ幼馴染にするなら、相互フォロワーのストロング成人向け物書きに向けて、性癖ぶっ刺しまくるか」と愉悦の心が働いたため、「年上」「ギャル」「清純」の要素が確定。


 ここら辺は「耳かき」という癖の強い要素とバランスを取るため、なるべく読者が普遍的に好きな「お馴染みの属性」を揃えることも意識しました。


 いわゆる、「既知」と「未知」が7:3の割合で収まっているか、というやつですね。流行やジャンルから読者との共通項を作り、かつ「耳リフレ」という僕のストロングポイントをごり押すための下地作りです。


 まとめると、

 「耳かき・ASMR」×「ラブコメ」×「幼馴染」×「年上・ギャルと清純」……


 こうして掛け算を重ねた結果、恐らく日本で僕以外に書こうとする人間はほぼいないだろうレベルまで尖りました。晴れて「オリジナリティ」の完成です。

 わーぱちぱち。

 で、タイトルはどうしましょうか。

 そのまま書いたら字数オーバーになってしまいますし、何より耳から摂取する癒しは多ければ多いほどいい(朗読なんかもいいと思ってます)ので、最初から「耳かき・ASMR」だけに限局するのは幅がない……。


 よし、ここはDLsiteの先人たちに倣って、「耳リフレ」でいくか!!


 そんな経緯であのタイトルになりました。

 やはり一般ジャンルの人になじみが薄いからか、結構混乱させてしまった部分もありましたね……。


 ちなみにギャル&ASMR枠であるアキ姉になんで運動神経が抜群、なんて設定があるかというと、インドアなタイプであるいろは姉との対比が理由の一つ。

もう一つの理由は、山や海のような大自然の中で動かしやすくするためです。


 今後の話で、仮に「ASMRの環境音を録るため山へ合宿」エピソードなんかを想定した場合、軽快に動き回っても違和感のないようにしたかったので……

それに二人ともインドアだと、ずっと閉鎖的空間で話が進むから味気ないですし……

あとなんかハプニングの差異を起こしやすい(クソ理由)



 ASMRのネタはこんな風に旅行も絡めた環境音エピソードとか、ちょっと攻めて「触手系」のホジホジ音声ネタとか……まぁ、やろうと思えば割とあります。


 耳かきはまだまだ出し切ってない耳かき棒ネタや、ムダ毛を処理するシェービング、耳鼻科のお世話になるレベルでひどい「耳垢栓塞」など、一応ストックはある感じです。あと攻守交代2セット分やりたい(欲望)




〇参考にした作品は?



 めちゃくちゃリスペクトしたのが二つ。

 お遊び程度のパロネタもいくつかあります。



 まず一つが、主に成人向けで同人・商業声優として活動されている伊ケ崎綾香さんの個人サークル「シロクマの嫁」から発売されている、

 「耳かき研究部 入門編&文化祭ver2.0」です!全年齢向けだよ!


 この伊ケ崎綾香さん、ご本人が相当マニアックな耳かきオタクであり、その知識とエッセンスがふんだんに盛り込まれた作品となっております。

 もはや、ある種の参考文献ですよ……いろはお姉ちゃんのキャラづくりに大変お世話になりました。



 もう一つが、今年に出来たばかりのサークル「耳恋本舗」より、

「耳かき研究部!~吐息も触れるゾクゾクASMR~祐奈編 CV:立花理香」です!


 お察しの通り、このサークルは一般向け商業の最前線で活躍している声優さんを起用していくようです。今年に入ってから急激に増えだした商業サークルの一つ、といったところでしょうか。

 オイルでまずリラックスさせる手順は、この作品へのリスペクトです。

 タイミングよく、アイディアを練っていた6月ごろに発売したので神の恵みだと思いました。



 ここからはプチネタ解説。

 まさかのネーミングセンスでお褒めいただいた「笹谷木」!

 これはもちろん「囁き」をもじったやつですが、DLsiteオタクなら真っ先に思い浮かべる作品群がありますよね?


 そう、VOICELOVERの「ささやき庵」ですよ!

 これは成人向けなので未成年は聴いちゃダメだぞ☆


 そこまで言ったら優の苗字にも由来があるのか、ですって?

 ありますねぇ!

 DLsiteオタクなら10人中10人が知っている金字塔・「道草屋」

 そこの人気シリーズである「すずしろ」から取っています。



 はい、書き出し祭り参加者の層には1ミリも伝わらないキモ・トークは終わり!!





〇頂いた感想のフィードバック、反省会


 本当にたくさんの感想を頂きました。

 7割ぐらいは自分から突撃してかき集めたものですが、予想していた以上に自発的な感想が多く、今までになく盛り上がっているのを感じました。



・褒められた点


①「えっちじゃん……」


 まぁ圧倒的に多かったですねこのコメント!

 全年齢向けにどのくらい火力を調整するかはまぁまぁ悩みました。

 個人的には「僕の心のヤバイやつ」のように、シチュエーションのエロスを醸し出したいなーと思っていたのですが、対象外だと思っていた女性の方にも受け入れられてたのは意外でした。

  

 一件だけ「もっとぶっ飛んだ表現が見たかった」という感想もありました。今回は「普段の三割程度に抑えつつ全年齢で暴れる」のが目的の一つだったので、仕方なしですねー。

 「これノクターンで連載でしょ」という感想も多かったですが、個人的にはどっちでもいけるようには作りました。

 ただノクタだと、ダイレクトな性描写のほうが耳リフレに勝ってしまう欠点はあるんですよね。僕の性癖上、絶対に環境トップに紅〇合わせを置いてしまうので……。

 


 ②「耳かき描写がよかった・耳かきに関する用語や豆知識も絡んでてよかった」


 恐らく二番目に多かった感想はこれだと思います。

 これは参考にした「耳かき研究部」やその他諸々の資料のおかげですねー。先人たちの偉大なる作品や情報源に感謝です。

 多くの人がおっしゃる通り、あのしょりしょり擦られる感じとか、耳のふちをグイグイなぞる感じとか、どうやったら簡潔かつ快感性を持たせられるかには力を入れました。


 おかげさまで「実際にされているような感覚だった」と大変うれしい反応を多数いただきました!

 五感を操るえっちSS作家としての腕を見せれたな……。


 今回書けなかったASMRパートですが、もし構想を練れたら「炭酸シャンプーの音」「焚火の音」「川のせせらぎ」「蝉時雨」「ドライヤー音」など、耳だけでなく頭皮まで刺激されてる感覚を味わえるバイノーラル、あたかもその場にいるような臨場感を味わえるフォーリーサウンドに着目していくことになると思います。


 ……まぁ、あとはアレです。耳はむはむと耳キスぐらいは許されると思ってます(暴挙)

 いや、R-15で耳舐めまで許してください!!(暴挙)



③「姉妹のキャラクターの対比がよかった」


 ここは一番好みが分かれるところだろうなーと思ってました。

 それでも二人の個性がそれぞれ際立ってるという感想が多かったので安心しました……まぁ前述の通り、仲のいい物書きを萌え殺すというしょーもない理由で決まったんですけど(笑)


 いろは姉ちゃんは「清純属性には裏がある」を地で行くキャラになってしまいました。ちょっと裏切りになるか? と懸念もありましたが、このくらいは先達の作品で経験済みの読者も多いだろう! と振り切りましたね。

 多分女性読者には彼女の方が人気出るのかな?

 いや実際に連載したら読者は男まみれになりますが。



 アキ姉ちゃんはもう言うまでもないですよね。

「オタクに優しいギャル」という幻想種をちょちょいと組み替えて、幼馴染の姉にしちゃったぜ!YEAH性癖ッ!!

「からかい上手の高木さん」のヒットを見るに、今のオタクはからかわれるの大好きなマゾが僕以外にもたくさんいると思ったので(超絶偏見)、迷わずこのキャラにしました。

 こういうタイプが普段からかってる相手に逆に押されてタジタジになってるところ、最高だと思いません?(突然の性癖語り)




・ご指摘いただいた点


 さぁ、こっちが本番ですよ。

 胃がキリキリ舞っていくタイムですわぁぁぁぁ~。





 ①アキ姉の口調について


 まぁ、絶対言われると思いましたよ。

 正直バイビーはちょっとふざけました(笑) 僕の悪癖ですねぇ。

 あと、ひょっとして僕の中のギャル概念が古すぎるのか? とも思いました。まだ25歳なんだが??

 令和のギャル概念にアプデしないといかんのか……。






 ②次回以降の展開について


 「この先が読めない、次への引きがやや弱い」というご意見もやや多かったですね。


 考えるに、


 1.耳かきやASMRになじみがない人にとって、期待するポイントが見えづらい。


 2. 耳かき文章で盛り上がりのピークに達したため、相対的にしょぼく見えた。


 3.この先ただのヒューマンドラマになるのでは? という懸念がある。

 

 といったところでしょうか。


 うーむ、中々塩梅が難しいですね。

 恐らくNot for meだったり、書き出し祭りの昔からの評価基準に「引きの強さ」があるため、この指摘が多かったのだと推測しています。


 というのも、耳かきやASMRを期待する層という当初想定していた読者からは「続きが読みたい」という感情を引き出せていたので、全くの空振りでもないんですよね。その上で対策を考えるなら、やはりラストの改変ということになるのでしょう。


 では、どういうシーンに差し替えるか?


「外部へのつながりを見せては?」という感想がありました。

 外への動きは一応考えはあります。

ASMRは実際にその場に赴いて環境音を録ることが多いので、アキ姉と組むときはそういった話を増やそうとは考えてました。


 また、「二人は別れずに次のえちえちへの期待感を高める方向性でも良かったのでは?」という感想もありました。


 この二つを踏まえ、一話の中に盛り込むなら……



「ラストシーンで逃げた後、いろは姉に会うのが気まずいのですぐには帰らず、町にある環境音を探しに行くという名目で、アキ姉としばらく二人きりになることに」



 というパターンはどうでしょう。

 字に起こすとちょいとしょぼく見えますが、僕の手腕でえちえちフックは作ります。

 そして今回のラストシーンは、そのまま後に回しても火力が落ちず成立するというオマケ付き。

 みなさん、よろしければこの改案に対し、コメント欄に「いいね!」「ダメね!」などの反応お願いします(笑) 



 それと3番の懸念事項は確かにごもっともですが、それを見越しての文化祭ゴールという数か月の短期スパンでもあるので、多分ネタ切れ前にいけるかなと思います。

 それにDLsiteで刺激を受ければネタは出てくるので(笑)






③主人公の掘り下げについて


 これはあいりさんからの指摘でしたね。

 「流され系でも、ここぞというときのカッコよさは持たせた方がいい」とのこと。

 確かに現時点でヒロイン二人に比べると目立ってないのは明白ですね。


 もちろん、僕なりに訳はあります。


 一つ目は「異世界転生などのWeb小説なら主人公、ラノベならヒロインに注力」という編集者つっつー氏のアドバイスに則り、「どちらかというと主人公が無双するのではなく、ヒロインの魅力で推していく方向性でいくから、まずは2人のキャラクター性を確実なものにしよう」と決めたこと。

 

 二つ目は、4000字で主人公まで魅せる構成と筆力が僕になかったこと。


 三つ目は「エロで感情移入するのに主人公の主体性が強すぎると邪魔なのでは?」というギャルゲ思考が働いたことです。



 と、言い訳を並べてみましたが、主人公を嫌味な奴にしてはいけないのは全くその通りなので、彼なりの持ち味を出していこうと思います。






 ④その他


 ワキガに関するコメントがありました。

 

 「耳垢の湿った人はワキガになりやすい」というのは初耳でしたね……

 ただ、これ要するに「主人公がワキガになりやすい」で止まっていて、「それがどうなのか」に関して全く言及がなかったので、単純に喧嘩売ってるのかな?と思いました(笑)

 

 まぁ、アキ姉ちゃんにからかわれる題材が一つ増えたので良かったです。使うかどうかはともかく。



 それと資格に関するツッコミがありました。


 恐らく厚労省が過去に「耳垢を除去することが医療行為にあたるのではないか」と通知したことや、イヤーエステという民間資格があることを知ってる人なのだろうと思います。

 ただ、耳かきに関する資格は耳鼻科での医療行為を除くと、国家資格ではないんですよね。あくまで民間資格です。

 加えて、素人の耳かきはただのサービス行為に分類されるので、医療行為にはあたりません。つまり、条例で禁止されている場合を除けば、必ずしも資格が必要というわけではないです。

 その仕組みそのものが問題なのでは? と言われればそうではない、と思いますが……。

 少なくとも僕の創作であえて掘り下げる必要性はないかな、と考えてます。

 


 


〇改善点として気になる点


 ここからは自作に関して、今後改善の余地がありそうだな~と思う点を挙げていきます



①タイトル


 実は40字制限で削ったワードも多かったんですよね。

 初見で分かるよう、「耳かき」「ASMR」も入れとこうかな~と思ったんですけど軽くオーバーしてしまいました。

 今後はその制約がないため盛ることも可能なのですが、逆に削った方がよくなるパターンもあるのかなと思うと……うーん難しい。


 ひとまず「耳リフレ」に「部」は付けようと考えてます。

 語感が悪いかな? と思って省いたんですけど単に不親切になっただけだった(笑)



②あらすじ

 

 今回の試みは、「タイトルとあらすじでジャンル系読者を掴み、共感性のあるものにする」だったんですけど、出来ていたかどうかというと微妙なところです。

 ま、題材がそもそも一般的じゃないとか言われたら返す言葉ないんですけど!

 YouTubeとFANZAとDLsiteでは日常です(局地的)


 で、主に気になってるのは、


1.読者の期待値を意識できたものだったか

2.あらすじで期待させた「読者の望み」を本文で叶える構成になっていたか

3.こだわりを的確に読者へ伝えられていたか

4.読者の共感と憧れを刺激出来ていたか


 このあたりですねー。

 読んでくださった方、本文でもあらすじでもいいので、上記の項目が達成できていたかどうか、コメントを下さるとうれしいです。

 地球が爆発するくらい辛口でも構いません。

 俺は、もっと、強くなりたい!!





〇総括


耳かきはまだ世界基準じゃなかった(そうじゃないだろ)

みなさん、アドバイスお願いしまああああああああああああああ須

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