幕間(4.5幕) ― ANNNA ―
(・・・魚さんがあんな風に考えてたなんて・・)
CFOの画面を前に、私は少し呆然としていた。
先のギルマス会議でギルマス仲間である「魚の人」さんが、CFOトッププレイヤーの一人かつ<幻の六人目>と称される人物と中の人が同じと聞き、驚いたのは事実だ。
でもまぁ、別に「騙された」とかは思っていない。・・・むしろ、自分から言い回るタイプの人は、個人的にも好きではない。
なので、これまで通りギルマス仲間、場合によっては上級者としての意見ももらえるてラッキー!、くらいの認識にしようと思ってた。
「レイ」に先程、「他のギルドできれば紹介して」みたいに言われた時、真っ先に思い浮かんだのが<ともしび亭>だったのは、まぁ心理学的とかでも妥当だろう。
かくして、お願いして見た訳だけど、承諾はまず頂けると思ってたのだが、「あの考え方」は、なかなかに衝撃的だった。
「メンバーを信用し、自由にさせる。でもその分、責任は持って欲しいし、・・・最終的な責任はギルマスがとる」かー。」
MMOをやっている以上、まぁTPO、ネチケと言ったものを守らない人はたまにいる。そういった人はギルドと言う組織には「いれないようにする」スタンスが普通だ。それでも稀に入ってきた人は、関係者とギルマスで対処する。
だが、今回の魚の人の考え方は、「変わり者が入るのも致し方なし」と言ったまた違うスタンスである。
「誰が迷惑になるかわかんないじゃん?明らかに迷惑そうな人以外は、積極的に入れてみよー。責任は俺が持つ!」
ざっくり言うとこういう事だろう。おおざっぱと言うかなんというか。
「・・・それでも、一考の余地ある、面白い考え方なのよね。」
私は口元が緩んでしまうのを実感していた。こういうのは嫌いじゃないからだ。
そしてふと、先程その魚の人に紹介した人物を思い出し、つぶやいた。
「レイ・・・大丈夫かしら、あの子?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます