第6話 眼鏡掛けてる?
あれは、そう2月の寒い時期。
僕は事故に合い頭部を縫う大きな怪我を負った。
みったぐない僕を見ても、結衣は引くこともせずいつも通り話してくれる。
普通のことだと思う?
いや、俺は特別に感じた。
22日の夜。僕らはいつもの様にゲームを終えて、LINEの通話に入った。
いつもの様に、学校のことや友人の話をしていたのだがいつもと違うことがひとつ。
恋バナになってしまったのだ。
なぜ恋バナになったのかは覚えていない。
「竹島くんって好きな人いるの?」
当然、結衣が好きだが。
でも臆病な僕はそれが言えない。
「内緒笑」
「ケチだ!」
「坂本さんは、輝から変わってないの?」
「変わったよ」
まぁ、そうだよな変わったなんて
バレンタインの時にとっくに気づいてる。
「へ〜、教えてくれんの?笑」
「竹島くん教えてくれたらいいよ笑」
絶対教えれない。。。
そして、好きな人の前で違う子の名前を出すのも絶対に違うし、俺はそういうの好きじゃない。
「俺は秘密主義だから笑」
やっぱり、俺チキンだった。。
「えー、つまんないのー」
「じゃあ、坂本さんの好きな人当てるわ」
「え、どうやって?笑」
僕は考えた。あの頃の僕は男らしさなど少しもなく、質問して好きな人を当てようと考えた。
こすいやつだ。
「その人さ、どんな感じ?」
この時僕は、自分の席の近くの人と確信していたのである程度聞ければすぐに分かると思っていた。
「うーんとね、いっつも笑ってて面白いし友達も多いよ」
まてこら。
そんなやつ席の近くにいねーぞ。
誰の話しとんのや。
「へー!そんな人いたっけ?
俺の知らない人?」
「知ってるってゆうか。笑」
「う、うん?まぁいいや笑」
曖昧だったので次の話題に切り替える。
「あのさ、同じクラスの人でしょ?」
結衣が電話越しにわかるようにビクッとなるのが分かった。
「なんで?え、もしかして知ってるの??」
「いや、勘笑
クラスの人かー笑」
なんだか、僕は心の中で自分のような気がしてきた。
いつも笑ってたし、面白い話をしては友人も多い方だった。
それを聞いてもまだ僕はびびっていた。
もしも、振られたら。
学校の席後ろなのに。めっちゃ気まずい。
なんてそんな事ばっかり考えてた。
だから探りを入れてるんだけどさ。
僕は二人のどっちかに絞れた。
1人は僕。
2人目は近くに座る友人。
友人と僕の明らかな違い。
それは眼鏡掛けてるか掛けていないか。
「好きな人ってさ、眼鏡かけてる?」
坂本さんは焦っているようだ。
「ねー!なんで分かるの?笑」
「え、なんとなく。」
確信した。
でもなんて伝えればいいのかわからない。
告白なんてした事ない。
頭の中で言葉を並び替えたり、考えたり丁寧に伝えようと気持ちを落ち着かせる。
よしっ。言おうと口を開く。
「俺さ、坂本さんの事好きなんだけど。
付き合ってくれませんか?」
坂本さんはびっくりしているようだった。
でもすぐに
「私も好き。宜しくね!」
と言ってくれた。
そこから僕らの青春が始まった。
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