第4話 結局誰やねん。

バレンタインが近づいてきた。


俺めっちゃバレンタイン嫌いなんだよな。


なんか、あれよ。

友チョコなら有難く頂いてご馳走様。

ホワイトデーなんか返すねって終わるけど


好意のあるチョコレートは好きな人意外から受け取れんし!

俺は普通にチョコが食いてーんだよ!

なんて去年までは思ってたのに。


今年はなんかちゃうぞって思っていたら

輝が休み時間俺の席に来る。


「貰えるといいなチョコ笑」


今更なのかもしれないが、輝は俺の事えげつないくらい見透かしてくる。

正直、ドン引きだ。


「え、誰からさ笑」

と輝の前ではあからさまに誤魔化しているのがバレてるのもなんかイラッとくる。。


「え、言わないどいてあげる笑」


「お前は早く席もどれ。

赤点になるぞ。勉強してこい!」


「あ、はーい笑」


完全に遊ばれてる。これだからバレンタインは嫌いなんだよ!


確かに貰えたらめっちゃ喜ぶんだけどさ!


結衣の席は後ろ。これは貰えちゃったりするのではないか?なんて甘っちょろく考えてた。

まぁ高校生だし、そんなもんだよな。。


お昼休み。


クラスの中では友チョコとか、まぁガチチョコはクラス内で見なかったけど。

配ってるのが見えた。


俺はなんか、いつもより喋れなくなってしまった。なんかめっちゃ貰いたいやつみたいな感じになってたのかもな。

今思えば恥ずかしい。


後ろの席に座っている結衣もカバンをゴソゴソし始めた。


坂本さんが席を立ち、まずは女の子の友達に配り始めた。

一通り渡し終えた後に、坂本さんが席につく。


坂本さんの周りに女子達が集まった。


「結衣、まだ誰かにあげるの?笑」


そんな会話が聞こえ、前の席の俺は耳を傾けながらゲームをする。


「作りすぎちゃったんだよね。

誰か食べてくれないかなぁ。」


いやいや、まてこら。

クラスの7割男なんだから誰に行ってんのかわかんねーよ笑

ってツッコミ入れたかったけど敢えてここはスルーしといた。


「結衣、なんでそんなに作ったのさ笑」


「いや!余ってたからラッピングして誰かに挙げようと思っただけで…」


俺は心の中で誰にあげるんだろう。

まてよ。結衣は輝が好きだったはず、

ならなんで輝にあげないんだ?


もしかして、新たな好きな人???


俺は推理した。席で貰ってくれる人が居ないかなーって言ってるってことはあげたい人が席の近くに居るということではないか!


まぁ俺は違うなと最初に除外。


なんか、悲しくなった。

期待をしてしまっていたのは自分。

なんか天から地に落とされた気分だ。


そんな感情苛まれながらも推理を続けた。


俺以外の席近くて。。

うーん。わからん。

坂本さん誰とでも仲良いから。。


まぁ結局坂本さん誰にも渡さず、その日の学校終了。


良かったのか悪かったのかは俺にはわからないけど。。


久々に柊木 優と帰るか。


「優、一緒に帰んね?」


「お、いいよー。」


「優さ、チョコ貰ったん?」


「貰えたと思うか?」


「いや?」


「俺はお前のそういう酷い所好きだよ」


「すまん。お前からそういう感情求めてない。笑」


「ひど笑」


なんだろう。柊木 優は一緒に居て気を遣わないから信じられないくらい楽なんだよなぁ

因みにこいつとは隠し事なしであった事とか全て話すって謎の決まりがある。笑


「登は結衣からチョコ貰えたのかな?」


「いや、なんか余った。誰か貰ってくれないかなぁみたいな事言ってたんだけど、

あれって好きな人に気づいてもらうためだよな!」


「間違いないとプール。パシャパシャって感じだね笑」


「そのチョコを俺が食べようか?なんか場違い過ぎてなんも言えんわ笑」


「いや、完全にお前だろ笑」


その言葉を聞いて全身脱臼するかと思った。

でも、俺じゃないだろ感を出してこう返す。


「いや、からかうなよ笑

純粋な高校二年生を。

お前とは違うんだわ」


「いや、お前らだって両思いだろ?」


「俺はともかく、向こうの気持ちは知らねーし、変な期待もってる方が俺は嫌だね」


「お前がそんなんだから進まないんだよ」


なんか、こいつがこういうの珍しいってゆうか合ってなさすぎて思わず笑ってしまった。


「悪い笑

お前に合ってなさすぎて。笑」


「失礼だな笑」


こんな会話しながら家に到着。

あれだけ優の事を否定しておいてなんだが

やっぱり意識してしまうのはなんでなんだろうか。


可能性があると自分の中で思っているからなのだろう。


俺たちの学校には、スキー授業がある。

体育の時間をスキー授業に当てるのだ。


俺は得意だったし、好きだから別に良かったけど。


昭和みたいだけど、スキー場が近いから重いスキー板担いで学校から山まで登るんだよな。。

半分くらいの生徒はタクシー使ってたけど笑


スキー学習、俺の身に事故が起きる。








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