第2話 お前ってあいつの事
輝と俺は昼頃に待ち合わせて温泉へ向かう。
「お前が俺を温泉に誘うとか珍しいな笑」
「いや、話したい事あってさ。」
「ふーん。まぁ温泉でゆっくり聞くか」
こいつの俺に話したいこと……沈黙が続く中考えてはみたものの全くもってわからない。
でも、色々考えているとすぐに温泉についた。
540円の温泉セットを購入し、すぐにお風呂へ向かった。
泡風呂にて、輝の話をゆっくりと聞く。
「お前さ、好きな女とかいないの?」
「なんで笑まぁ気になるくらいかな」と誤魔化した。
「俺さ、坂本 結衣が好きなんだよね。」
びっくりした。輝は恋愛感情とかないと思っていたからだ、女の人に対して興味が無いのだ。
俺は自分の結衣への気持ちをグッと押し殺し
「へぇー!そんなん?笑」
と、輝にバレないように返した。
「お前、結衣の事好きだろ?笑」
俺は言葉を失った。
鳥肌が立つ。なぜバレた?怪しい素振りも結衣に対しても友人の様に接しているのに。
すると、輝はゆっくり話し始めた。
「お前は友達だからな。性格も分かってるし気付かないわけ無いだろ?笑」
「え、でも、お前好きなんじゃないの?」
「は?興味ねーよ笑
俺が好きって言ったらどんな反応するのか
見たかっただけ笑」
俺は確信した。"こいつ性格悪い!"
「うざすぎ笑」
でも俺は知っていた、輝の好きじゃないのは本当だ。そうじゃなくて、坂本 結衣は輝の事を好きなのだ。
輝は元々彼女要らないって奴だから、尚更好きだと聞いた時は驚いた。
でも、結衣から相談を受けているので正直、俺は困っていた。
俺の恋愛事情。結衣の相談を受けている事は一切話さずに、根掘り葉掘り話した。
「いやー、面白いな。がんばれよ。」
「ありがとな笑」
輝は俺の事を恐ろしいくらいに見抜いてくる。しかも、外れたことが無い。
そして彼は思ってる事をストレートに話してくる。辛辣ってやつだ。
でも、輝は大体正論をぶちまかすので誰も言い返せなくなる程だ。
輝はいい友人だ。この先も彼は俺の人生を狂わせないように正しい方へ導いてくれる。
俺たちは温泉に上がって、帰宅する。
その夜、急にLINEの通知が鳴る。
名前を見ると結衣の名前が表示された。
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