夜風

竹島 登

第1話 初めましてって変かな。

夜、寝る前に静かで心地よい夜風が当たるベランダで煙草に火をつける。


「カチャッ」とZIPPOのいい音が辺りに響く。


夜風は大嫌いだ。あの頃を思い出す。


竹島 登は高校に無事入学!俺の高校は別に偏差値高くないし、ぶっちゃけ学校の7割方が就職する様な学校なんだけどな笑


高校に入学して、3ヶ月友達も沢山出来て毎日楽しく過ごしてた。


「まじで、工業ってなんでこんなに女子が居ねーんだよ。本当にお花はどこ?」こいつは柊木 悠。女の子が大好きでまぁ癖のあるやつかな?笑


「彼女作れよ笑お前じゃ無理だろうけど」


「ちょっくらナンパしてくるわ笑」

こんな他愛もない事で笑って過ごしてたある日。


「登ー。化学の実験とかだるくね〜。

自由落下とは?笑」


「いや、それな笑

先生が勝手に決めるらしいしな笑」


「まじか、辛みザワとしゆき」


「まぁどうせ1時間だし。頑張るべ」


そうして、化学の授業が始まった。先生は黒板に出席番号をスラスラと書いていく。クラスメイトは皆誰となるのかをとても気にしているようだった。

俺は18番だからそこか。席に座ると向かいに女子が座っていた。


「坂本 結衣です。

初めましてって変かな?笑

竹島くんだよね?よろしく!」


「あー、ご丁寧にありがとう

宜しくね。」


これが結衣と初めて話した会話だった。まぁ、正直名前覚えてくれてる事にびっくりした。

結衣は明るく、言葉遣いも綺麗で話をしていてとても楽しかった。授業中も先生にバレない程度の小さな声で趣味とかアルバイトの話とか他愛もない話で結構盛り上がった。

化学の実験の授業悪くないなって思ってたらすぐに1時間が経って校内に高く響くチャイムが鳴った。


「竹島くんと話すと楽しいね笑

化学の実験また楽しみにしとく!」


「そうだな。じゃあ、また化学の実験の

時にゆっくりね〜。」


あ〜、楽しかった。なんて余韻に浸りながら教室に向かった。

教室に戻ってからは味気ない授業は睡眠時間となりあっという間に6時間目が終了した。学校側から早く帰宅していいぞのチャイムが鳴ったので僕は柊木 悠と桐島 輝、響 良樹と

足早にミスタードーナッツに向かった。


「輝、お前ミスドのカフェオレで3時間も粘んなよ笑」


「テスト勉強中だから話しかけないでね〜」

なんて、店側の迷惑なんて気にせず長時間居座った。


「登ー、テスト終わったら温泉行かね?」

と、輝が珍しく俺を誘ってきた。まぁなんか話でもあんのかな?って思ったので


「テスト終わったらな笑」

と返した。


ミスドで勉強はほぼしてないので皆散々な点数だったのはまぁ言うまでもない。


輝とは連絡を取って行く日取りを決めた。2人で行くのは中々ない事だったので、どんな話なのかとても気にはなったが後から聞くからいいかと安易に考えていた。


これから、温泉で輝から意外な話を聞くことになる……











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