鈴麗GALsBOUT―RGB FAINAL BOUT

第15話 麗煌GALsBOUT―RGB

「も〜姉さんったら何時まで支度に時間かかってるんだよ。そんなんじゃ愛想つかされちゃうよ」

「仕方ないでしょ。女性はお化粧に時間がかかるものなの」と鏡の中の弟に話をする。

　「よしっ♪準備完了。行ってくるね」

「気をつけてね」と玄関先まで見送ってくれる。「うんっ」と返事をする。

ささやかだけれど大切な日常。

今の私には帰りを心待ちにしてくれる家庭がある。

そして…玄関を開けた先には

　あの人が両手を広げ待っていてくれる。

優しく眩い光に包まれながら。

ふと後ろに手をやり、結わえたままの髪に気づく。ああ…そうだった。まだ癖が抜けきれてない。無理はない。人生は試練であり、常に闘いなのだから。形が今までとすこし違うだけだ。ポニーテールをほどき、大好きな彼の胸に思いっきりとびこむ。　

―でもこの瞬間だけは―普通の女の子だ―

鈴麗GALsBOUT （完）