第7話 九龍城 二層 二龍(アルロン)

 足場を失くすような目眩を覚える。 

今しがた上がってきた景色が目の前にある。

回廊のから人形兵器が姿を現す。


「クッ…」

歩いてくるかと思えば、突如として走ってきた。一瞬にして間を詰める。 

―速い―

拳がとんでくる。ガードが間に合わない。

思わず目を瞑りそうになる。

その時、子柄なツインテールをした少女がサーベルの切っ先を拳に受けて鈴麗の立ちはだかった。


―シャルロット!!―


「あらあら、そんな品のない攻撃はゴリラ娘だけで十分間に合ってよ。

ココはわたくしめにお任せを…小鈴さんを…両親の仇を…」

「ク…」

思わず涙が出そうになるのを堪え、鈴麗は首肯する。

無事階段を駆け上がる姿を確認したシャルロットは敵に視線を転じる。

「さあ―躾をしてさしあげますわ」

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