貧乏青年はコンビニの仲間達で夢を追う。
YuU
貧乏青年はコンビニの人達と夢を追う
「いらっしゃいませー」
「こちらすべてで1300円になります」
「2000円からでお願いします」
「はい。お釣りの700円です…ありがとうございました。またのご来店を」
ふぅ。これでひと段落だな。これでやっと書けるな。
僕の名前は鏑木 悟。15歳だけど高校には通ってなくて毎日コンビニでアルバイトをしているフリーターです。僕は昔から貧乏だったけど両親のおかげでなんとか学校に通えたんだけど昨年両親が事故で死んでから僕は進学を諦めて働くことにしました。そんな僕には夢があります。それはライトノベル作家になることです。なので僕はアルバイトの休憩時間にコンビニにあるWi-Fiを使わせてもらってwebで大賞に出す用の作品を書いています。理由は僕の父がライトノベル作家で売れなかったけど、僕はそんな父を毎日見ていていつか僕も父のようにライトノベル作家になって自分の世界を読者に見てもらいたいからです。
「お?書いてるのか?」
この人は斎藤 正人でこのコンビニの社長。とても優しくて僕の夢を後押ししてくれたりしてくれる人です。
「はい。全然書けてないですけど…」
「良いんだよそれで。ゆっくり考えて書けば良いんだよ。頑張れよ!」
「はい!ありがとうございます!」
「良いんだよ。悟はまだ16歳だ。まだまだ時間はあるんだ。折角、夢があるんなら追わないと損だぞ」
「はい!アドバイスありがとうございます!正人さん」
「じゃな!」
正人さんは忙しいみたいでコンビニの外や中を出入りしてて手伝おうとしたんだけど…
「悟は書け!これくらいここの社長様、正人ならへっちゃらだぜ!」
そうは言っていても正人さんは今年で50歳だ。なんか無理しているようにも見えるけど…
そう控え室で思いながら書いていると…
「あなたまだいたのね…邪魔だからどきなさい」
「は、はい」
ちょっと強い口調で話しかけてくるのは須藤 真美さん。大学生で週3回くらいアルバイトとしてここに働きに来てるらしい。正直、こんな口調で話しているけど実際とても優しいんだよな〜。
そう思っていると僕が持っていたスマホを見ていた真美が…
「あなた、書いているのね。まぁ私、国語得意だから見てあげてもいいわよ?い、いや見たいだなんて言ってないわ。ただ大賞に出すのなら、しっかり書けてないと恥だから
。仕方なくよ?仕方なく…」
そういえば僕が中2の時父に聞いたんだ!確か…
2年前…
「父さん。なんでこの女の子はこんな冷たい口調で喋っているのになんで顔が赤くなっているの?」
「それはな。ツンデレっていって、本当はとてもとてもとても心配してるのにはずかしかて冷たい口調になってしまっているんだよ。俺はな。そんな子がマジで好みなんだ…」
「へぇー。そうなんだ〜。母さんに言ってやろ」
「おいちょっと待てよ〜」
こんな事あったな〜。
「で?どうなのよ。見せてくれるの?」
「は、はい!どうぞ!」
やっぱり怖い…
そして僕は真美さんにスマホを渡して見てもらった。感想は…
「ふん!全然ダメね!文章になってないわ。キャラ設定は良いとしても文章がダメなら受賞どころか最初で落ちるわ…」
「そ、そうですか…ありがとうございました」
「そこで提案なのだけれど。私は君を受賞させるようにアドバイスしてあげるから。また書き直してみなさい。良いわね?これは決定事項よ」
「え?本当ですか?ありがとうございます!僕、真美さんにアドバイス貰えたら100人力ですよ!本当にありがとうございます!」
「え?ふ、ふん!別にいいわよ。暇つぶしに見てあげるだし…」
「それでもです!ありがとうございます!」
「ふぇ?も、もういいわ!私はレジしてくるからあなたは今アドバイスした事を書き直しておきなさい」
「はい!」
そう言った真美さんはほんの少し頬が赤く見えたが…多分気のせいだろう。
それから2ヶ月に僕はwebで大賞に応募した。結果は二次審査で落ちてしまった。正人さんは泣きながら悲しんでくれて、真美さんも同じだった。僕ももちろん悔しかった。だけど僕はまた挑戦しようと思う。たとえ何回何十回落ちたって僕は挑戦したいと思う。この人達がいるなら僕は挑戦できる。
END
貧乏青年はコンビニの仲間達で夢を追う。 YuU @mugifuwa1415
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