第2話 奥に潜む生き物

「んっ」


 非常階段の辺りまで、歩を進めると外窓を発見し、手を壁にピタッとつける。そして、顔を枠の方へ近づけていくと奥の方には観音扉がうかがえた。

辺りもすっかり日も落ち、不気味さが増して、少し怖さを感じ取った。

 例えるならば、夜の学校で廊下の突き当たりにある音楽室の怖さだろうか。

 しかし、よく凝らしてみると、首をかしげる。中には誰もいないはずの扉の向こうでは何かうごめいている。ただモザイクのように、はっきりとは見えないため、それが只の射光による目の錯覚なのかもしれない。

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