第33話

この頃の私は

全てがキャパオーバーだった


ちゃんと食べれるようになりたい

ちゃんと寝れるようになりたい

不安でいっぱいな夢を見続けて

何回も夢で死にたくて

夢の中なのか現実なのか分からない狭間で

過呼吸になる

仕事をしていても目眩がする

手の指が動かなくなる

体重がどんどん減っていく…


心が死んでしまわないように

壊れてしまわないように

何でもないふりをして強がって笑ってる

自分の心がまだ折れませんように

まだ一緒におれる日々が続きますように

家に帰ってきてくれるだけで

幸せなんだと言い聞かせる…


怖くて不安でいっぱいな毎日



私なりに笑って過ごしながら

私は度々生きる意味を見失う

子供たちの喧嘩の声、ぐずる声、泣く声を

聞きながら

もう帰ってきたくないのは私だな…って思う

笑いたくない

怒りたくもない

何もしたくない

もう何もほしくない

望んでも手には入らない

期待しても裏切られる毎日


このまま何も分からなくなってしまえば

どれだけ楽になれるんだろう…

そう考えては子供たちをみて正気に戻る



コロナが少し落ち着いたので

限界な私を見兼ねて妹が久しぶりに

遊びに来てくれた


2ヶ月前には

妹に自ら電話をし

“ナナと一緒に飲みに行きたいから子供たち見といて欲しい”

って言っていたレンだが

面倒臭いからと私と出るのを嫌がった



でも

昼は3人でラーメンを食べに行って

夜は子供たちも連れて焼肉に連れて行ってくれた


お酒もはいり楽しくなってきたのか

このまま1人で飲みに行くといわれ

せっかくみんなでいるのに

この人は本当に自分のことしか考えられないんだな

と思った

妹が子供たちをお風呂にいれて

寝かしつけてあげるから

あとでお姉ちゃんも行ったら?

と言ってくれたので


レンはちょっと面倒くさそうだったが

あとで私もレンと合流することにした



“いつも行くところに

お前連れてくとかホンマは嫌やなー”

“俺が1人でゆっくりしてるとこやのに”


とか何とか言われたが…


念願の?

レンとのみに行けることになった



何度も言うが私はこの頃

ほとんどご飯が食べれない

ましてお酒なんて最近は飲もうとも思えない


そんな私がお昼にラーメン、

夜に焼肉

そのあとなんて何もお腹に入らない


レンも私が最近食べれないことは知っていたし

お酒をのみすぎたら過呼吸になることも知っていた



合流したのはもう70歳くらいのママが1人でしている

スナック?のようなところだった

狭い店内で常連のレン

私はレンと話がしたかったが

そんな雰囲気ではない

ママに悪いからとお酒をぐいぐい飲まされる

少し休憩すると

“はよ飲めよ”

“もっと飲めよ”


………ママに気をつかって沢山飲ますレン

本当は私の事を気にかけてほしいのに

飲まないとイライラされるし

飲みすぎると過呼吸になるのが分かっているので

それこそ

そんなことになって迷惑はかけられない


気を張って飲むせいで

私はちっとも酔わなかった

8杯程は飲んだと思う

それでも全然飲まんって言われ続ける…



私はレンとそこのママと話していた

途中でこの店の常連で

レンとも常連同士知り合いになった

田中さんという40歳くらいの男の人とも

一緒に話していた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る