第32話
レンがあつきと別れて
家に帰ってくるようになって
まだ2ヶ月しか経っていない
でも私は5月に一度
“俺とお前は合わんのやろ 無理や”
って言われていた
私はレンが家族に向いていってくれているのだろうと
調子にのっていたのだろうか…
妻の立場からすると
当たり前のことだとも思うが
すでにLINEもそっけなく
既読スルーも増え
飲みに行く連絡もなく
私は毎日のように
“お疲れ様!今日はどっか行く?”
といったLINEを送っていた
聞かれることが鬱陶しいとは思っていたが
LINEもしてくれるって言ってたし…!
と思っていた
そして毎日食べるかどうかも分からない
いつ帰ってくるかも分からないレンのために
ご飯を作って冷蔵庫の定位置に置いていた
最初の頃は
夜中でも昼前に起きたときにでも
レンが食べたお皿がシンクにあると安心した
でも食べたくないおかずを残されたり
食べていない日があったり…
私は負担に感じていくようになった
いらないのならそう言ってくれれば
わざわざおかずを足して作って置いといたりしない
子供たちと軽く終わらせたりもできる
朝綺麗に片付けた部屋に
メガネやリモコン、クッション等
使ったままに置いてあって
綺麗に片付けたシンクにまた洗い物があって…
朝時間がないなか
子供たちを送り出して
自分の身支度をして
家を綺麗にして行く私にとって
帰ってからそれを見るだけで嫌になる
でも言えない…
じゃあご飯もいらない
家にもいたくない 居場所がない 自由がない
言われる言葉は分かっている
あまりにも夜連絡もなしに飲みに行って
夜中に帰ってくることが多くなったので
“なんで連絡してくれんの?”
“そんな毎日行かなあかん?”
そんな事を言ったと思う
そして返ってきた言葉が
“俺とお前は合わんのやろ 無理や”
私も腹が立っていた
最近はずっと気をつかって何も言わなかったし
どんだけ腹が立っていてもイライラしていても
レンに話す口調も声も
何も気にしてない明るい感じを意識していた
“なんでナナはこんなに歩み寄ろうとしてるのに
レンは何も歩み寄ろうとしてくれんの?”
言ってしまった
“俺は家には帰ってきてるやん
それだけでだいぶ歩み寄ってるやろ!”
キレられた
頭の中はハテナマークだらけだった
本当に!本当に!
ただ帰ってきているだけ
夜中2時か3時頃
私がもう寝てから帰ってきて
服を脱いでそのまま布団にはいる
そして次の日の朝
レンが寝ている間に出勤する…
レンが連絡をくれないので
私は何度も目が覚める
レンが帰ってきているか気になる
車がないか見てしまう
睡眠障害のようなものは続いていた
そしてこの日も
泣いて泣いて泣いて
調子にのってたんだと自己嫌悪
もう明日には帰ってこないのかもと不安になり
やっぱり頑張らないといけないんだと
意味の分からない考えでいっぱいになった
結局LINEで謝った
何を謝らないといけなかったのか分からないのに
必死な私は普通の思考回路が保てない
レンからまさかの
“俺もごめんな”
って返ってきて心から安堵する…
そんな日々…
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