第四百四十話 防衛部隊が攻める時

そのまま周囲を取り囲んで攻撃しようとするが、

その直前に迎撃部隊の兵士は


「その程度の攻撃、予測してるんだよ。

いや、それは何度も辛酸を舐めさせられた動きだ。

だからこそそれをまとめて返させてもらうぞ!!」


と強い口調で発言した後、手元にある何かのスイッチを押す。

すると迎撃部隊の兵士が乗っている機体の両肩から、

広範囲に向かってレーザーが放たれる。


「ええい、何だあれは!?」


そのレーザーに対して兵士がふと顔を上げると同時に、

放たれた光は直撃し、そのまま爆散する。


「つっ、こいつら……今までの部隊とは

明らかに違うという事なのか?」


更に星間連合の兵士がこう大声を出す。

明らかにその様子は手足を細かく動かすなど動揺しており、

今までの戦いとは明らかに流れが違っている事を物語っていた。


「さて、今度はこちらの番だ。

総員、攻撃開始!!」


防衛部隊の司令官のこの一言をきっかけとして、

部隊は一斉に星間連合の部隊と距離を詰めていく。

その全てが先程の兵器も使っていた武装とレーザーを装備しており、

まるでタイミングを合わせたかの様に一斉に星間連合目掛けて放つ。


「くうっ、ええい生意気な……」


星間連合の兵士は早口かつ強い口調でこう話すものの、

その様子はただ単に焦っている、困惑している風にしか映らない。


「あのレーザーの出力は何だ!?

奴らの攻撃で装甲が一撃で射抜かれるなど今まで無かった事だ!!」


戦艦に乗っている星間連合の部隊長の口調は、

先程よりも更に荒く強いものになっていく。

だがその強さは戦況に働きかける様な物ではなく、

明らかに小物感が漂う虚勢であった。


「ええい、奴らをこちらに近付けさせるな!!」


戦艦に乗る部隊長がこう大声で叫んでいる事が、

防衛部隊が星間連合の部隊に対して接近している事を物語っていた。

更にその一体一体が機関銃やレーザーで攻撃していく。


「今までの俺達とは違うって事を教えてやるよ。

そしてのこのこと私達の居場所に戻ろうとしてきた事を後悔させてやる」


兵士の言葉も星間連合の部隊長に負けず劣らず強い。

だがこちらの強さは星間連合の虚勢とは違う。

その思いに裏打ちされた口調である事は明白であった。


「早々にここから引き下がってもらいますよ。

被害をこれ以上広げないためにもね!!」


最初の兵士に突っ込んでいた兵士も足並みを揃え、

そのまま接近していく。

兵器が揃ってレーザーを放つとそれは広範囲に展開している、

多数の星間連合部隊を穴だらけにしていく。

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