第四百二十四話 入り口で交戦する時

その音はガチガチ、ギンギンと脳に響きそうな音である。

それが何を意味しているのか、一同は直ぐに察知した。


「さて、そろそろ来てくれそうね」


アップルがそう告げると同時に入り口から何体もの機械が出現する。

それが兵士達の話していた発掘現場の兵器である事は明らかであった。


「さて、早速出てきたね。

可能であれば数体生け捕りにしたい所だよ」

「兵器なんだから鹵獲や捕獲と言うんじゃない?

少なくとも生け捕りは違うと思うけど……」

「分かってるよ、少し緊張を除こうと思っただけ」


ライトが少し軽い口調で話すとアップルはすかさずそれに突っ込む。

それに対するライトの返答も又軽いものであった。

それを聞いた兵士は


「あの……皆さん、大丈夫なのですか?」


と返答してくる。

その表情は少し不安な色が見えており、

今の会話の流れが軽かった事に対して不安を抱いたようだ。


「ええ、今回の標的が早々に出てきてくれたんだ。

油断してやられない様にしないと」


ライトはそう告げると出現した機械の方に視線を向ける。

するとその機械は両肩から機関銃のような物を出現させ、

それを乱射してくる。


「つっ、早速攻撃してくるとはね。

やはり僕達の事を侵入者として認識されているようだね」

「まあ、そんな簡単に行くとは思ってないよ。

だったらこちらも押し通るだけ!!」


ラズベリーが攻撃に対して反応するとライトはすかさず反撃体制を取る。

それを見た兵士達も


「皆さんがやる気になっているのに我々が怠惰な面を見せる訳にはいきませんね」


と言い、手に武装を構える。

それは明らかに銃であった。

だがその銃を見たアップルは


「その中であの機械を破壊できるのですか?」


と返答する。

その外見は明らかに小型銃であり、兵器を破壊できるとは思えなかったのだ。


「流石に一撃では不可能ですが、回数を重ねれば可能です」


兵士はこう返答するとすぐさま構えた銃を方の機関銃に向けて撃ち始める。

しかし兵士の全員の銃弾を当ててやっと破壊できる程度であり、

その間にも他の兵器が攻撃してくる。


「つっ、それでは時間がかかりすぎます。

更に奥から増援が来る可能性は?」

「十分考えられますが、今は……」

「だったらまどろっこしい事をしていないで早々に攻撃を開始しましょう」


ブルーベリーが時間がかかっていることを心配するが、

それに対してライトは何時ものあっけらかんとした言動とともに、

兵器に対して接近していく。


「え!?いや、あなたが接近していったら……」


その小柄で華奢な体で接近していった事に対し、

兵士は明らかに焦燥感を浮かべた顔で叫ぶ。

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