第四百二十三話 発掘現場に到着する時

「それは何をしているのですか?」


ライトに対して兵士が質問すると同時に

その球体が空間を切り裂き、そこから何かが出現する。

それは下に車輪があり、武装も装備されている

明らかな軍用車両でアタ。


「さて、これに乗って移動しましょうか」


ライトがそう告げると兵士は


「おや、今回は空間移動はしないのですか?」

「ええ、現地の状況が分からない以上、

うかつに転移通路を開くのは危険すぎますから」

「まあ、それもそうですね」

「分かったら乗って下さい、

早々に移動を開始しましょう」


そう告げると一同は車両に乗り込み、目的の場所に向かって移動していく。


その移動中ラズベリーは


「ところで現地に危険があるとは言っていましたが、

具体的にはどの様な危険があるのですか?

敵が拠点を作ろうとしているとはいえ、

それだけではないのでしょう」


と兵士達に問いかける。

それを聞いた兵士は


「ええ、敵の拠点が作られようとしているというだけではありません。

資材が発掘出来る場所は発掘されていた時代に作られていた機械が

ウロウロしている事があるのです」


と返答する。


「その時代の機械?」


ラズベリーが問いかけると兵士は


「ええ、その当時から資材の奪い合いが行われていたのか、

機械を使って効率よく発掘されているというだけでなく、

侵入者撃退用と思われる装備も多数持っているのです」

「その戦闘力は高く、並の兵器よりはるかに危険です。

故に死傷者が出てしまう事も稀ではありません」


と返答する。


「つまり、昔行われていた領地争いの影響が

今まで尾を引いていると言うわけね。

そして用心棒が必要と」

「まあ、そういう事ですね。

もちろん皆さんが用心棒というわけではありませんが」

「まあ、危険な場所だと聞いているからね、

自分の身を守るくらいの事はしないと」


兵士と会話を続けている内に一同を乗せた車両は

目的地へとたどり着く。

そこは明らかに即興で建てたような柵が張り巡らされている場所だった。

その奥には洞窟らしき場所の入口も見える。


「あそこが今回の目的地ですね」


アップルがそう告げると兵士は


「ええ、あの場所が今回の目的地である発掘現場です。

中に何が居るか分かりません、くれぐれも警戒を怠らないで下さい」


と一同に向けて警告する。

それを聞いたライトは


「警告は受け取っておきます……が、

どうやらそれを聞くまでも無く証明してくれるようですよ」


と言葉を続ける。

すると発掘現場らしき場所の中から重い金属音が聞こえてくる。

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