第四百二十二話 ライト達が出発する時
「しかし、リスクを取らないと資材を入手できないのも事実でしょう?」
その話が出た直後、ライトが部屋の中に入ってくると、
早々にこう口にする。
「ライト、作業の方はいいの?」
「ええ、一段落ついたから報告に来たら君達は、
何楽しそうなお話をしてるのさ?」
「いや、内緒にしてた訳じゃないんだけどね、
だけど本当に向かうの?」
「ああ、危険を犯してでも資材は入手しておきたいよ。
それに此方が動く事で敵が何か動きを見せてくるかも知れない」
「それも含めての行動って事?
まあ、いつまでも睨み合っている訳には行かないものね」
入ってきたアップルを始めとする会話は
その資材置き場に行くという事で一致する。
「ところで誰が向かうのですか?
現地に危険性がある以上、ある程度の人数を送っておかないと
危険だと思いますが」
「そうだね……此方から兵士をある程度送り込むか」
「もちろん僕達も行くよ」
アデルの側近が誰に向かわせるかを問いかけると
アデルは兵士数人を向かわせる事を提案するが、
その直後にライトが自分たちも向かうと話す。
「え!?しかし貴方達は……」
「資材が入手できるかも知れないんだ、
黙ってここで待機しているわけには行かないよ」
「それに敵が施設を作りかけているのなら、
そこを調査すれば何か掴めるかも知れない」
「私達も向かった方が効率が良いでしょう?」
そう告げるとライトは言葉を重ね、
アップル、ラズベリーもそれに同意する。
その口に言葉を続けた事、首を縦に振っている事がそれを裏付けている。
「さて、結論が出た所で早速向かおうか」
ラズベリーのその声と同時に一同は移動を開始し、
基地の出口から外に出る。
そこにはアデルの指示を受けたと思われる兵士達が待機していた。
「貴方達が今回同行してくれる兵士の皆さんですか」
「ええ、アデル様の命というのもありますが、
我々自身貴方達と共に戦うことを望んでいます」
兵士達はこう告げるとライト達に接近してくる。
その様子はどこか遠足にウキウキしている小学生のようにも見える。
「まあ、ピクニックに行く訳ではないので。
これを持っておいてください」
ライトは兵士にこう告げると手元から丸い球体を取り出す。
「これは?」
「僕が作った直接戦闘用のアイテムですよ。
危険が有るのでしょう?」
「恐らくは、まあお守りと思って受け取らせて頂きます」
そう告げるとライトは兵士にその球体を渡し、
更にそれとは別に背負ったかばんを下ろす。
そしてそこから紫の球体を出し、それを投げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます