第四百二十五話 兵器を全滅させる時

「何を焦っているのですか?」

「いや、あの華奢な体であの兵器に接近したら……」


ブルーベリーが兵士に対して、

何故焦燥感を抱いているのかを聞いてみると兵士はこの様に返答する。

どうやらライトの体を見て心配しているようだ。

一方ブルーベリーは平常運転と言った印象である。


「さて、そのデータを採取させてもらうよ!!」


そんな会話をしているブルーベリーと兵士を尻目に、

ライトは兵器に接近していく。

そしてそのまま兵器に対して兵器の体の中心に拳を入れる。


「い、いえ、そんな事をしても……」


その様子を見た兵士は明らかに狼狽するが、

ライトの表情は全く変化していない。


「え……大丈夫なのですが?」


その様子をみた兵士が更に動揺した表情を浮かべる。

一方ライトは本当に平気らしく全く動揺したり、

痛がる様子は見せていない。


「ライトは確かに見た目は華奢だけど、その身体能力は

半端じゃないの」


と告げるアップルの言葉通り、兵器の体に大きな凹みを作っていた。


「今の一撃であれだけの凹みが!?」


ライトの一撃で兵器に付いた凹みに視線を向けた兵士は、

その困惑した表情を更に困惑させる。

それほどまでに今目の前の光景が信じられないのだろう。


「さて、その体の一部を見せてもらいましょうか」


ライトはそう告げると自らが兵器につけた凹みへと向ける。

其の部分の凹みは明らかに貫通すれすれまで到達しており、

中身を確認するには十分であった。


「ここまでの凹みを入れたなんて、

我が方の部隊でも聞いたことがありませんよ……」


兵士は唖然とした表情でふとこう話す。

其の言葉から兵士達が兵器に対してどれだけ苦戦していたのかが伺える。

一方凹みをつけられた兵器はそのまま倒れ込んでいく。


「どうやら致命傷を受けた様ですね。

倒れ込んだ所を見るとどうやら致命的な所を破壊できたみたいです」

「さて、なら私達も続きましょう!!」


そう告げるとアップルとブルーベリーも兵器に接近していく。

そして手元にライトが渡していたと思わしき小型アイテムを取り出すと

ドリルのような形へとそれを変形させる。


「さて、これで一気に行くわよ!!」

「ああ、ライトだけに頼り切る訳には行かないもの」


こう声を重ねて兵器に接近していくと

兵器の中心部分を狙ってドリルを向ける。

そして兵器に対して突き刺し、中心部分に穴を開けて倒れ込ませる。


「よし、やはりライトが攻撃してくれた場所が弱点のようだよ」


そう告げると他の兵器に対しても中心に攻撃を加えていき、

瞬く間に兵器を全滅させる。

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