第四百二十一話 資材問題と向き合う時

「そうか、彼等からもその事について話は上がってきている。

最も全て君達兵士を通してだけどね」

「つまり、他の部署からも資材の不足が指摘されていると?」

「ああ、もちろん僕達も何も考えていない訳じゃない。

だんだん捜索範囲を増やしつつ、まだ敵の制圧下に有る場所にも目を光らせてる」

「我々も捜索していますが、やはりまだ敵の制圧下にある場所が多いですね」


兵士とアデルの会話からどうやら資材面での問題を抱えているようだ。


「しかし、敵も一気に開放された事で混乱しているのか、

こちらに対して仕掛けてくる素振りはありませんね」

「あるいはESBの皆さんと協力しているのを知って警戒しているのか。

いずれにしろ敵が次の動きを見せてくるのもそう遠くないと思う」

「ええ、だからこそその前に資材の問題を解決したいのですが」


アデルと兵士の表情は真剣であり、

このままではいずれ資材不足になるのではないかという懸念が見て取れる。

するとそこに


「アデル様、資材問題についてですが、ある程度対処出来るように

なるかも知れません」


と言う声と共に1人の兵士が入ってくる。


「対処できる?それはどういう事なの」

「実は今回の作戦で開放したタウンの近くにまだ使用されていない

資材の発掘場を奴らが建築していたという事が判明したのです」


アデルがその内容について問いかけると、

兵士はこう話を続ける。

それを聞いたアデルは


「つまり、奴らが作りかけていた施設を使って資材を発掘するという訳だね」


と兵士が言いたい事を察する。

すると兵士は


「はい、奴らが目をつけていた場所であれば相応の資材が確保出来ると思います。

最も何かしらの危険は伴いますが」


と告げる。


「資材を発掘?そもそもこの惑星で使われている資材は、

地面の下に埋まっているものなの?」


その場に居たアップルが問いかけるとアデルは


「埋まっている物もありますね。

特に機械を作るパーツに加工出来る素材が埋まっています。

最も流石にそれだけでは足りなくなる為、

それを解析して量産する技術も発展していますが」


と返答する。


「それがまるまる敵に握られていると」


アップルと同じくその場に居たラズベリーがこう呟くと、


「情けない話ですがその通りです。

ですがそんな奴らが狙っている場所であれば……」

「資材を入手できる可能性はあるという事ね。

しかし危険性は無いの?」

「無論危険性は有るでしょう、

それに奴らが何かを仕掛けてくる可能性も当然あります」


と話が続く。

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