第四百十一話 青とルルが戦う時

「それってつまり、そういう事なの?」


何かを察した青は目の前に居る九尾に対して銃口を新たに向ける。


「ああ、そういう事になる……かもしれんな」


九尾もそれを見て何かを察したのか、青に飛びかかって来る。

青はそんな九尾に対して向けていた銃から弾丸を放つ。

すると今度はその体に銃弾が当たり、その体を撃ち抜く。


「つっ、流石にやってくれるな。

だがその程度では止められんぞ!!」


九尾はそう話すと打たれた部分に尻尾を伸ばし、

その部分を押さえつつも青に接近してくる。

それを見た青は


「やはりそういうことなのね、

ここは私、又はあなたの精神世界。

そして私とあなたは共に精神体になっていて、

相手を消滅させた方が体を使う事が出来る」


と発言する。

それを聞いたルルは


「理解が早くて助かるな。

それ故に私も真剣にぶつかりたくなる」


と言って青に尻尾を伸ばしてくる。

青はそれを避けると更にルルに銃弾を撃つが、

その様子を見て


「あの九尾、確かに自分の事をピープルだと言っていた。

だけど私達がこれまで戦ってきたピープルとは明らかに違う……

何なの、この違和感は……」


と内心でその戦い方にどこか疑念、違和感を持つ。


「どうした?戦闘中に考え事とは随分余裕だな」

「そうね、少し余裕を見せているように見えたかも知れないわね。

そうだとしたら失礼したわ」

「別に構わんよ、私に対して何らかの疑問を抱きくのも、

この様な状況になれば仕方なかろう」


青が疑問を抱いた事を察したのか、ルルがその状況に対し

質問をぶつけてくる。

それに対して青が戦う意思を改めてぶつけると

ルルもそれに答えてくる。


「さて、そなたの実力が徐々に分かりつつあるな、

思っていたよりはずっと手強い」

「一体私をどの程度の存在だと思っていたの?

あなたの正体よりその方が気掛かりだわ」


ルルが挑発しているともとれる発言を行うと、

青はそれに若干の反応を見せる。

最もつられて怒りを覚えているような雰囲気ではないが。


「さて、では本気を見せてやろう!!」


ルルはそう言うと両目を光らせ、青の周囲に青白い炎を出現させる。


「つっ、魔術を使用してきたわね!!」


青はその炎をかわそうとするが、すぐさま炎は追跡してくる。


「くっ、この炎は私を追跡してくるのね……」

「そうだ、そしてこれはかわせるかな?」


青が炎に対して反応を見せると同時にルルは尻尾の先端を鋭くし、

それを青に向かって伸ばしてくる。


「つっ、だったら此方もやるしか無いわね……」


追い込まれた青は覚悟を決めた表情を見せる。

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