第四百五話 作戦報告を開始する時

「外に出ていたピープルの部隊は我々が全て倒しました。

司令官の方はまだ到着していないのですか?」

「ええ、まだ苦戦しているのか、

それとも元から全滅させるつもりは無かったのか、

その辺りが気になるところではあるけど」

「いえ、流石に全滅させられるくらいは戦力を送っているはずですが……

だけどそれだけの数が向かったということでしょうか?」

「まあ、それも報告を聞けば分かるところだわ。

あなた達は施設内を調査し、他に敵が残っていないか、

又変な機械が動作していないかを確認して」


兵士達と少し会話を交わした後、パウは兵士にこう告げる。

すると兵士は


「了解!!皆さんもお気をつけて」


と返答し敬礼する。

それを見届けたパウは先に向かっていた明帝やクウォスの後を追って、

直ぐに期間用通路の方へと向かう。

そしてそのままその中に入っていく。


「さて、戻ったら戻ったで色々お話する必要があるね」

「ああ、今回の作戦が無事に成功したものの、

不可解な部分も多いからな」


通路内でも会話を続けつつ、一同は帰路についていく。

そして通路を抜けると一同は早々に司令官のもとに向かう。

当然のことながら、司令官の部隊の兵士も一同に同行していた。


「皆さん、この度は作戦に協力していただきありがとうございます。

まずはその御礼を……」

「御礼はあとで構いません、それよりもまずは作戦の最終報告を行います」


司令官は嬉しげな声を上げるものの、明帝はそれを制止すると、

淡々と返答する。


「そうですね、では早速……」

「その報告、僕達にも聞かせていただけませんか。

まあ、僕達の方からも報告はあるのですが」


明帝の発言を受け、司令官は作戦の報告を聞こうとするが、

そこに通信が唐突に入ってくる。

そしてその通信で入ってきた声の主は高御であった。


「高御様!!そちらからも報告があるという事は……」

「ああ、こちらの作戦も無事に完了したよ。

僕達の世界に出現したピープルの部隊は殲滅した。

ただ、その中で今まで未確認の獣人が確認できました」


明帝が少し嬉しそうな声を上げて通信を画面に映し出すと、

高御は早々に報告を始め、自分達の作戦で遭遇した新型獣人について話す。

それを聞いた明帝は


「人語を解する獣人ですか、それなら僕達も交戦しましたよ」

「ええ、確かに施設内で交戦しました」


と返答し、セリアンもそれに言葉を続ける。


「となると、人語を解する獣人はすでに生み出されていると考えて良いんだろうね」


高御はその話を聞き、すでにピープルの獣人を生み出す技術は、

実用化されていると推測する。

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