第四百四話 作戦が終了する時

それを聞いた明帝は


「そう、それなら良いんだけど」


と告げて青と共にその部屋を後にしていこうとする。

だがその目線は明らかに青を向いていた。

そしてそれはその場に居た全員が気付いている。

しかしそれを口にすることはなかった。


その理由は何かあるのだろうか?


「ところでここに来る途中、

子供の獣人を連れた兵士達とすれ違いませんでしたか?」


やはり先程の子供達についての事が気になっていたのか、

青は早々に子供達について尋ねる。

それを聞くと


「ああ、たしかにここに来る途中ですれ違ったな、

そして子供の獣人も連れていた。

あの子供たちは一体何なんだ?」

「それは私も分かりません。

後であの兵士達に問いかける必要がありますね」


とクウォスが返答し、青はこう返答する。

そしてそのまま一同は入口の方へと戻っていく。


「皆さんご無事でしたか!!

それにしても先程兵士達が子供の獣人を連れてきましたが、

あれは一体……」


門番をしていた兵士はどこか困惑した表情を浮かべていた。

その表情から門番の兵士はその事について知らされていなかったのが分かる。


「という事は皆さんもあの子供達については……」

「ええ、全く知らされていませんでした。

あの子達がピープルが制圧した街から

連れてこられた子供達である事であるのは分かるのですが」


明帝の質問に対して見張りの兵士はこう返答し、

兵士が連れてきた子供達がどこかの街から連れてこられていた事が分かる。

しかしその理由や救出任務が出ていたことについては把握していなかった様だ。


「つまり、あの子達はピープルの構成員というわけではないのですね」

「ええ、ですがどうしてこの施設に連れてこられているのか、

その点が気になります」

「そうですね、私であれば本部に換金して人質にします」

「この件も含めて作戦成功の報告を行う必要がありますね。

その為にも今は戻りましょう」


兵士と明帝、パウ達が会話を続ける中、

青はその言葉を遮って本部への期間を提案する。


「そうだね、本部で司令官、長老、高御様達を交えて話した方が早いかも知れない。

ただし、まだ敵が潜んでいる可能性もあるから僕達の戦力をここに投入するよ」


明帝がそう告げると同時にその場に別の転移通路が開いてくる。

そしてその直後、その奥からESBが長老の部隊に提供した戦力が出現する。


「この戦力達が出てくるという事はつまり……」


パウがそう告げると同時に転移通路から、

外で戦っていたと思わしき部隊が入ってくる。

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