第三百九十二話 里愛が新たに力を出す時

二人がそう呟いた通り、その獣人の姿は今まで見た事が無い物であった。

外見は狼をベースに巨大化させたような印象だが、

所々に見える鋭い突起がただの野獣では無いことを印象づける。


「お前たちが俺達に歯向かう他の世界の者共か……」


その獣人が言葉を発するとセリアンは


「この獣人、言葉を……コレも今までの大型獣人とは違いますね」


と発言し、身構える。


「ああ、今まで出てきた大型獣人は全て

単に力を振り回してくるだけの野蛮な連中に過ぎなかった。

だがこいつは……」


スロープもこう呟き、その獣人が今までとは違う存在である事を認識する。


「だからといってこんな所でやられるわけにはいかないよ、

今回の作戦が成功するかどうかはここにかかっているんだ」


明帝がそう告げると同時に獣人は突起から棘を次々と放って

攻撃してくる。


「つっ、もう既にやる気って訳か!!」


スロープはそう告げると交戦体制を取り、獣人に接近していく。

だが獣人はその見た目通りの鋭い爪を振り下ろし、

部屋の床をえぐってくる。


「つっ、床をえぐる鋭さか……直撃は食らえ無いな……」


振り下ろされた爪をギリギリで回避したスロープが

床に付いた爪痕を眺めながら呟くが、それを見た明帝は


「だけどあの獣人の攻撃、

もう少し思い切り振り下ろしても良いような気がしたね。

それをしなかったという事は果たして何を意味するのか……」


と獣人の攻撃方法について内心で疑問を抱く。


「こんな奴を野放しにはしておけませんね。

セリアンさん、あの爪を封じるには……」

「ええ、分かっていますよ。

ちょっとだけ時間を頂けますか?」


一連の流れを見た里愛がセリアンに呼びかけると

その返答から自信がある事、少し時間を稼いで欲しいという意図を伝える。

それを聞いた里愛は


「ええ、分かっていますよ」


と言うがそれを聞いていた周囲の兵士が


「お前達が何かをしようとしている様だがそう上手くはいかんぞ!!」


と告げて一同に飛びかかってきそうになる。

だがそれをみた里愛は


「そう来るのは当然分かってるよ!!」


そう告げた里愛は手にしていた銃の先端に期間中のようなアタッチメントを付ける。

そしてそれを発砲すると、

アタッチメントの先端から多数のレーザービームが連射され、

目の前から飛びかかってきた兵士を一掃していく。


「さて、このまま行かせてもらうよ!!」


そう告げると里愛はその銃口を移動させ、大型獣人に対してもレーザーを連射する。

そしてそれは直撃し、しっかりとダメージを与える。

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