第三百九十一話 獣人が到着する時

「つっ、もうここまで到達してきたのか!!

ええい……まだここを失うわけにはいかんのだ」


部屋の中に居たピープルの司令官らしき獣人は、

一同が突入してきたのを確認すると同時にこう口にする。

その言葉からこの部屋がこの施設の中枢である事は明らかであった。


「この施設を現状失うわけにはいかん、

総員で直ちに攻撃し奴等を仕留めろ!!」


司令官らしき獣人は直ちにこう発言する。

それと同時に一同目掛けて室内の獣人が一斉に攻撃してくる。


「皆、今の声は聞いた?

今回の作戦が成功するか失敗するかは今ここで決まるよ」


明帝はそう呼びかけると一同は部屋中に分散する。

そして獣人の兵士が攻撃したのに合わせて回避行動を取り、

その直後にクウォス、スロープは格闘術で獣人を攻撃する。


「スロープもクウォスさんもこうした状況には強いですよね。

私も負けている訳には!!」


セリアンはそう告げると直ちに魔法の詠唱を始め


「スター・シュート!!」


と言って星型の魔術弾を飛ばし、室内に居た獣人を攻撃する。

それは獣人に確実に被弾し、次々とその場に倒れ込ませていく。


「ええい、やはり奴等は手強いな……

だが此方も引くわけにはいかんのだ!!」


司令官らしき獣人はそう言うと手元から何かのスイッチを取り出し、

そのボタンを押そうとする。


「つっ、それを押させるわけには……」


それに気付いた里愛は直ちに銃を撃ち、

スイッチを弾き飛ばそうとするがワンテンポ遅く

ボタンは押されてしまう。


「あのスイッチ、一体何を起動させるものなの?」


それを確認したパウがそう呟くと同時に一同の後方、

つまり部屋の入口の方から大きな振動が響いてくる。


「何だ!?何かが迫って来ているみたいだけど……」


明帝がそう告げると同時に

室内のモニターに姉弟生物が爆走してくる映像が映し出される。

それを見たスロープが


「どうやらこの部屋に大型生物が接近してるみてえだな、

となるとそいつを倒さねえ限り今回の作戦は成功する事は無いか」

「ああ、それまでにこの部屋に居る獣人を仕留めておきたい所だな」


とクウォスと会話を交わし、更に周囲の敵を蹴散らしていく。


「ええい、このままでは奴等の思うままにやられてしまうか……

だがもうすぐ到着するぞ!!」


司令官らしきピープルの言葉通り、その直後に

爆走してきた存在が背後から姿を表す。


「こいつ……見たことのない獣人ね。

データが無いから慎重に立ち回る事が必要よ」

「そうですね、それに部屋の兵士も結構倒しましたがまだ残っています」


その姿を見たパウとセリアンはそれぞれこう呟く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る