第三百八十八話 兵士達が追いつく時

一方通路を潜った突入メンバー達は一直線に向かっていき、

勢いを付けたまま飛び出していく。

その先陣を切っているのはセリアンとスロープの二名であった。


「さあ、行きましょう!!」


セリアンとスロープがそう告げながら飛び出していき、

地面に着地すると周囲を見渡す。


「確かにここは施設のようですね。

見て下さい、データルーム内で確認した構造です」


セリアンがこう呟いた後に続いて一同が到着すると

彼等もセリアンと同じく周囲を見渡し、そこが施設である事を確認する。


「さて、そろそろ来る頃じゃないのですか?」


青がそう呟くと同時にその言葉を証明するかの様に

ピープルの兵士達が集まってくる。


「ちっ、数が多いな。

流石に施設だけのことはあるって事か」

「まあ、物の数ではないけどね」


クウォスとパウがそう呟いた直後に一同の後ろにある通路から

司令官の配下である兵士が数人出てくる。


「あなた達も来たのね。

だけど残念ながら簡単には通してもらえない様よ」


パウはそう告げると同時に兵士達に

目の前に出現したピープルの獣人達を見せる。

それを見た兵士は


「そのようですね、しかし我々も黙ってみている訳には行きません。

ここは我々が引き受けますので皆さんは先に行って下さい」


と告げると同時に交戦体制を整える。


「大丈夫なの?皆さんだけで」

「ええ、我々とてずっと待機していたわけではないのです。

最低限の交戦、悪くとも時間稼ぎくらいはしてみます」


兵士はこう告げると交戦を開始する。

その光景をみた明帝は


「分かった、先に行かせてもらうよ。

だけど君達だけに任せるわけにも行かない、

だから青は残って彼等に協力して」


と青に対して指示を出し、それを聞いた青は


「了解!!では皆さん、ここは任せて下さい」


と言って両手に短剣を構え、交戦体制を取る。


「ちっ、俺達を目の前にして長話をする余裕があるとは、

相当な余裕があるみたいだな!!」


ピープルの兵士はそう言うと一同に対して攻撃しようとしてくる。


「そんな私達を律儀に待ってるあんたらも随分余裕みたいね」


青はそう言うと兵士に接近して短剣でその体を突き刺していく。

それに続いて兵士達もピープルに接近して行く。

それによって兵士の列が乱れた所をつき、

明帝達は突破していく。


「ちっ、奴等をここから先に活かせる訳には行かない!!」


兵士はそう告げると明帝達を追跡させようとするがその前に

青と兵士が立ちふさがる。


「おっと、ここから先には行かせないよ」


青はそう告げるとピープルの腕に短剣を突き刺す。


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