第三百五十話 七宝の策が動く時
だがそれを見た兵士は
「今何が起こったのですか?作戦変更を申された方の兵器が標的の施設に接近したと思ったらいきなり何かを展開して……」
「それが終わったと思った次の瞬間には何かを叫んで……」
とぼやいていた、どうやら何が起こったのかが全く分からない様だ。
一方アデルは
「君達の機体ではさっき何が起こったのか分からないんだね、だけど僕には分かるよ」
と先程何が起こったのかを把握している様子を見せている。
「一体今何が起こったのですか?ご説明して頂けなければ何とも言いようが……」
「それは後でしてくれると思う、それよりも今は前方に視線を集中させて」
兵士はそう告げるが放題のエネルギーは尚集中し続けており、兵士が心を休める事は出来ない。
「ええい、一体何がどうなっているのだ!!」
だがその時、戦場にこの様な声が響いていた。
しかしその声に気付くESBの面々もアデル達の部隊の兵士も居なかった。
何故ならそれは今回の標的である放題の中で発せられた声である為だ。
「何故エネルギーの集中させているにも関わらず主砲を発射できんのだ!!」
「も、申し訳ございません、先程から砲台の、いえ内部の全システムのコントロールが不能となっており、どの様な状態になっているのか現在把握している最中です」
「このタイミングでシステムの不備が偶然で起こる筈がない、必ずなにか原因が有る。奴らが何か仕掛けてきた事も至急把握し……」
「し、司令官、先程我が方の兵士より伝達!!此方に接近後急速に離脱した兵器が存在しているとの情報です」
その声を上げている異性連合の兵士は周囲から司令官と呼ばれていた、どうやらその兵士がこの砲台に駐在している部隊の指揮官を努めている様だ。
最もそれは呼び名を聞くだけで明らかな事実だが。
「その兵器が何かをしてきたというのか?」
「断定は出来ませんが可能性は極めて高いと思われます、その直後に離脱していった事も踏まえれば……」
「ならば直ちにこの兵器を追跡しろ!!一体何をしてきたのかは分からんがこのまま逃す訳にはいかんぞ!!」
司令官がそう告げると兵士は
「既に向かっております、しかし途中でその兵器に阻まれてしまい……」
そう告げ、既に七宝に対する追撃は行っていると告げる。
しかしそれはことごとく阻まれている様だ。
「ならば主砲を直接その兵器に向けよ、そして装置の復旧に全力を尽くせ……」
と言いかけるがその直後に施設の警報が突如として成り始める。
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