第三百四十九話 変更作戦を行う時

「当初の計画では戦艦の主砲であの砲台を破壊するつもりだったけど、あの砲台の中にデータベースが存在しているのならそのデータを入手したいのです。

それを入手する事も並行して行いたいのです」



七宝がこう具体的なプランを説明すると兵士は


「データベースのデータを入手するというのは一体どうやってするのですか?」

「まさか、施設内に突入するのですか?」


と口々に疑問を口にするがアデルは


「いや、彼等の、彼女達の能力があれば可能だよ。

但し、それを行う為には七宝さんに砲台に接近してもらう必要がある、そうですよね?」


と兵士に対して発言し、その直後に高御も


「その通りだよアデル君、だからこの状況で僕達が行うべき行動は……」

「七宝さんがあの砲台に接近出来る様に異星連合の部隊を殲滅する、或いは引きつける、ですよね」

「流石にアデル君は分かっているね、その通りだよ。

他の部隊にもそう伝達してくれないかな?」

「任せて下さい、既に行っています。

と言っても現宙域の敵を殲滅する事を最優先事項に設定して欲しいと呼びかけただけですが」


とアデルと会話を交わし、お互いに意思の疎通が出来ている事を確認する。

一方兵士達は相変わらず困惑した状態であるものの


「この作戦が終わる頃には君達にも分かっている筈だよ、だから今は作戦に集中して!!」


と言うアデルの呼び掛けもあり、そのまま作戦に思考を向け直す。


「そうですね、終わった後に分かるのであればそれで構いません!!」


と言った兵士は前方の異星連合部隊に接近していき、その攻撃で異性連合の機動兵器を撃墜していく。

神楽やエリーの活躍には及ばないものの、兵士達の実力も明らかに異星連合のそれを上回っており戦力を削るには十分すぎるレベルであった。


「さて、僕達も黙ってみている訳には行かない、奴等が僕を狙ってくるのなら僕が引き付ければ!!」


アデルはそう呟くと異星連合の部隊に接近していき、先程から構えているライフルで次々と異星連合の兵器を撃ち抜いていく。


「!!敵の砲台にエネルギーチャージの兆候を確認したよ、七宝、これ以上は!!」

「寧ろ好都合ですよ、いえ、高御様もお気付きになっているのではないのですか?」

「ああ、そうだね、後は任せたよ七宝」


高御がそう告げると七宝は砲台に向かって接近していき、そのまま装備を乱射し砲台との距離を詰めていく。

そして極限まで接近すると


「XLINK・ジャミング!!」


と言って砲台に対して展開しているウイングから何かを放つ。

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