第三百三十四話 ミスティが入ってくる時

そして本星の兵士が通信に対応すると


「君達、例の攻撃を行っている設備は見つかった?」

「先程の攻撃が行われた際に例の装置に反応があり、その反応を逆探知した所何処に設置されているのかは特定出来ました。

後は破壊する戦力をどれだけ用意出来るかですが……」

「そちらの戦力だけで破壊する事はやはり困難ですか?」

「ええ、現状投入出来る戦力が少なすぎます、此方を動かしてしまうと手薄になった拠点を責められかねません」

「戦力が動いたとなれば当然向こうもそれを察知して動いてくるって訳だね」

「ええ、その辺りが難しいところです、勿論万が一の際には動きますが」

「ああ、既にその装置は此方の拠点、いえ本姓全土を狙い撃ち出来るレベルだと思われます」

「そうなるとそれが何処に向けられるかか……連射はしていないから恐らくエネルギーチャージの時間はかかり、連射は出来ないんだろうけど……」

「或いはワープゲートのエネルギーかも知れません、最もそうであったとしたら既に我々が吹き飛ばされているでしょうが」


アデルと兵士はこう会話を続けるが、その発言から決して余裕がある状況では無い事が伺える。

するとそこに


「なら私達の戦力も投入すれば済む話でしょう?」


という声と共にミスティが入ってくる。


「ミスティさん!?どうしてここに……」

「本来なら勝手に入るのは礼節違反なのでしょうけど、君達が話している内容が聞こえて来てね」

「それも虚言なのでしょう?」

「やっぱり既に能力の事を知っているとその辺りは気付かれるわね、お察しの通り能力を使って聴いていたわ、いえ正確に言えば……」

「謁見の間の時点で既に僕達が何を考えていたのかを知っていた、そうおっしゃりたいのですか?」

「ええ、勿論君達は私達の配下ではないから命令して止める事は出来ないけど、その作戦に協力する決定は私も下せるから、最も高御も既に気付いた上でしょうけど」


アデルに対してミスティはこう言葉を交わしていく。

その様子は飄々としている様だが言葉の内容は的を得ていた。


「さて、今の状況を整理させてもらうと既に装置の場所は突き止めている、そしてそれは恐らくマルティー本星周辺中域、そこに戦力を投入したいけど現状でそれをすると拠点を攻め落とされかねない」

「はい、全てその通りです。

ですから戦力を提供して頂けるのであればそれはありがたいのですが……」

「何処か不安があるのね?それは最もだと思うわ」


兵士の不安げな様子に対してもミスティは理解を示しているようだ。

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