第三百二十九話 静寂が続く時
「それは助かります、ですがどなたが来られるので?」
「流石に主戦力をそちらに何時までも……と言う訳には行きませんので一般の兵士となりますね、ですがそれでも最低限のレクチャーは可能です。
もし何かあればその時は」
「此方からご連絡すれば対応して頂ける……ですか、しかしそれに頼ってばかり居ると言う訳にも行きません。
その為可能な限り私共の方で防衛してみせます」
「熱心なのは大いに結構な事ですが、それと無謀を履き違える事が無い様にして下さいね。
引き際を誤った結果再び施設を失うという事があってはなりませんから」
「その点は重々承知していますよ」
送り先の兵士に対しミスティがこう告げると同時に通信機の電源が切れる。
「通信を切ったと言う事はこれ以上の会話は不要という事ね」
「そうかも知れませんね、そして兵士についてですが、既に此方の方で手配しておきました。
現地に新たにゲートを製造しています」
神楽がそう告げるとミスティは納得した表情を浮かべる。
「さて、此方側も戦力を整えなければいけませんね」
神楽は更にこう言葉を続け、更に戦力を整える重要性を告げる。
「ああ、暫くは僕達も戦力を整えるのが最優先だね」
高御は神楽の言葉に対してこう言葉を続けると神楽とミスティは顔を見合わせ、首を縦に振って頷く。
そしてそれから何事も無く一週間が過ぎようとしていた。
その間神楽達は戦力を整える一方、セリアンとスロープの世への兵器の提供、そして使用方法の解説と指導を行っていた。
一方で地球側もじっとしている訳ではない、此方の防衛戦力を提供して貰いつつも戦闘要員に対する指導を行い、異星連合やピープルに対する防衛戦力を整えつつある。
一方アデル達は異星連合に対して警戒心は抱いているものの動きが見られない為に対応出来ないでいた。
「異星連合の動きが見られませんね、やはり何かを目論んで居るのでしょうか?」
「その可能性は高いと思う、奴等がこのまま大人しく引き下がるとは思えないからね。
それに僕達の奔星にも何れは仕掛けないといけない」
「そうですね、ですがこれだけ動きが見られないのは……」
アデルと兵士がこう会話していた直後にその静寂をかき消す様な警報が鳴り始める。
「警報!?いきなり来たね……もしかすると噂をすればって奴かも」
「急いで彼らの所に向かいましょう!!」
アデルがこう呟くと兵士が向かう様に促し、それを受けたアデルはそれを言うまでも無いと言わんばかりの速さで謁見の間に向かっていく。
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