第三百二十八話 兵器を送り込む時

「それを作り出すのが危険な技術かもしれないって事ね」


高御が言いたい事を予測したのか、ミスティは先にこう告げる。

それを聞いた神楽も


「そうですね、しかしそう考えるとその技術は何処に存在しているのか……或いは生み出したのか……」


とその技術に対する疑問を口にする。


「その分析は七宝と神楽が取ってくれた異形のデータから解析していくのが近道だろうね、所でその異形についてはどうなったの?

まあ、大体の見当は付くんだけど……」


その直後高御が現在異形をどうしているのかについて問いかけてくる。

だがその顔は現状を知りたいという思いもあるがそれ以外に一抹の不安を抱えている様な印象を受ける。

そしてそれは直ぐ隣に立っているミスティも同じ様な表情を浮かべている。

その表情につられているのか、神楽の顔も同じ様になっている。

そしてそのままその表情で


「自分と七宝がデータを収集し終えた後ライトがやって来てその異形を連れて行きましたよ。

既にデータを取り終えたのなら僕に廻して欲しいって言っていました」


と告げる。

その顔は引き続き一抹の不安を抱いている部分があるのが明白であった。


「やっぱり、ライトが欲しがったって事はそういう事なのね」

「ええ、恐らくは今後の実験や研究の実験台にするつもりなんでしょうね」

「ライトの性格から考えるとその可能性が高いと思うよ。

恐らくは僕達が止めてもやるだろうね」


その後の三人の会話からもライトの性格には少々問題があるようだ。

その直後神楽は


「まあ、ライトの事を今心で話していても仕方ないので直ぐに向こう側に戦力を送りますね」


と告げて謁見の間にあった機器を操作し始める。

そして部屋の画面に表示されている何処かの部屋に操作を開始する。


「操作は上手く言っています、そろそろ到着している頃かと」


そう神楽が告げると同時に謁見の間に通信が入って来る。

その通信を受けたのは先程までミスティが通信していた通信機であった。

その通信を再びミスティが受けると


「ミスティさん、先程此方にそちらからの兵器が送られてきたのですが、これは一体何なのですか?」

「ええ、長老とお話させて頂いた結果、そちらに戦力を投入をする事になったのです。そちらへの防衛部隊として兵器を送る事になったんです」

「それは嬉しいのですが、此方でこれをどの様に扱えば良いのか……」

「そう言えばそれをレクチャーする必要があったわね、指導員として此方の兵士を暫く駐留させます」


と会話を交わす。

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