第三百二十七話 ピープルの思考を探るとき

「そういう事になりますね、では此方は先程申し上げた通り、そちらに全自動型の防衛兵器をお送りします。

今から送りますので数分後にはそちらに届くかと」

「ありがとうございます、ではこれから宜しくお願いします」

「私達もこれから宜しくお願いします」


高御の返答に対し長老とセリアンが揃って頭を下げると高御は通信を切る。

するとその直後背後で通信していたミスティも通信を落とし


「さて、あの子達を引き受けることについては私も反対はしないけど、果たして未来ある若者、いえ幼子をそう簡単に戦力として派兵するものかしら?」

「ああ、僕もその点は気になっている、まあだからこそ引き受けたんだけどね」

「恐らく単に経験を積ませたいという理由ではないんでしょうね、まあそれも含まれている可能性は高いけど」

「可愛い子には旅をさせよって訳?まあそれには僕も反対しないさ、だけどそれだけで戦争に送り込むなんて事はしないだろうしね」

「となると、何か引っかかる部分、気になる部分があるのでしょうね」

「それを調べるという目的もある……と」

「おそらくは僕達が気になっている部分と一致している部分と思う」


その直後に高御とミスティが会話を交わすが、その内容からセリアンとスロープに何かが起こっている事は察する。


「さて、約束した訳だから早々に遅れる訳には行かないね、神楽に事情を説明して戦力を送ってもらおう」

「その必要はありませんよ、お話は聞かせてもらいましたから既に送っています。

まあ、会話中にいきなり送り込むと大混乱するでしょうから少し遅らせましたが」


その直後に神楽が部屋に入ってきた為。高御とミスティは少し困惑した表情を浮かべるものの、その直後に安堵した表情を浮かべる。

いや浮かべる表情は安堵ではなく手間が省けて楽が出来たといった雰囲気だが。


「さて、神楽が入ってきたって事は何か分かった事でもあるの?」

「ええ、今回ライトが捕獲したピープルの生物についてですが、これまで出現した異形とは明らかに異なる部分が見受けられました。

勿論具体的に調べましたが、明らかにこれまで戦ってきた異形とは異なり明確な意志や思考能力が見受けられます、よって恐らくは元々からピープルに属した生物か、或いは」

「思考能力を与えられた存在って訳だね、だとするとそこまで数は存在していないんだろうけど、それを生み出せるとしたら……」

「いや、もしかするとそれが理由で生み出していないのかも」


神楽の発言に対してミスティはなにかを言いかけるが、高御はそれが理由ではないかと告げる。

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