第三百二十六話 長老が告げる時
「ええと、つまり……どういう事だ?俺達は何をすれば良いんだ?」
こう発言したスロープはどうやら今の言葉が何を意味しているのか理解していないようだ。
そんなスロープを見たセリアンは
「つまり、高御さんが私達に向こうの世界で行う作戦の参加を要請してきたら私達もそれに参加する事になるって事よ」
と今の長老の発言に対して解説を入れる。
「何だ、そういう事か」
その解説を聞いたスロープはあっさりと納得した表情を浮かべる。
その表情は解説したセリアンも同様であった。
「二人共納得した表情を浮かべているけどそれが何を意味しているのか分かっているのか?」
「ええ、高御さん達の世界の作戦に参加する事になるって事だろ?それは元から望む所だ。
俺達の世界を救ってもらってばっかりじゃ借りを作りっぱなしになるじゃねえか」
側近の兵士は二人を心配そうな表情を浮かべて話しかけるが、それに反してスロープはあっさりとそれを受け入れている表情を浮かべ、それを証明するかの様に軽く返答する。
それを聞いた側近兵士は更に
「しかし、君達は……」
と尚も納得が行かない様な表情を告げようとするがそこに長老が
「止めんか協力者の前で、これは儂が決めた事だ、故にその責任も儂にある。
いざという時には儂がその責任を負うつもりだ」
とその責任は負うつもりである事を告げる。
「わ、分かりました……」
長老が呼びかけたが故か兵士はそれ以上何も言わずに黙り込む。
「これはあくまで此方側が決めたことですが、そちらの返答はいかがでしょうか?」
長老がそう問いかけてくると高御は
「……分かりました、そちらの提案を受け入れましょう」
と暫く黙った後にこう告げて提案を受け入れる事を告げる。
「そしてその証明として二人はそちらの判断だけで此方に来てもらっても良い事にします。
部屋については此方に滞在していた時に使っていた部屋を使ってくれて構わない」
高御は更にこう言葉を続け、二人を歓迎する事を告げる。
「さて、次は俺達の世界と高御さん達の世界、次に動くのは何方なんだろうな?」
スロープが今後の動きについて何処か楽しみにしている様子を見せると高御は
「今の所は何とも言えないね、僕達の世界では此方から仕掛ける手段が無いんだ。
今の所向こうが仕掛けてくるのを待つしか無い」
と返答し、それを聞いた長老は
「一方我々の世界は仕掛ける対象は明確ですが戦力がまだ整っていない、故に皆さんのお力をお借りしている状態です」
と自分達の世界の状況を対比させる。
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