第三百十五話 ライトの手で空を舞う時
「さて、行きますよ!!」
ライトがそう言うとその空間から人数分の機器が出現する、だがそれが何の機器なのかはライト以外は分からない。
「ライト、これは?私達も見た事無い機器だけど……」
「それはそうだよ、今回始めて使う機器なんだから」
「いきなり作戦に用いて大丈夫なの?」
「ええ、大丈夫だと思います、ライトの発明が明後日の方向に作動した事はありませんから」
ライトが機器を前に初めて使うと堂々と告げるのでパウ達は少し不安な表情を見せるがクスナはそれは大丈夫であると告げる。
「さて皆さん、その機器を背中に装着して下さい」
ライトがそう告げると機器が動き出し、各々の背中に自動的に装着されていく。
そしてその装着が終わると背中で広がり、まるで孔雀の羽根の様に広がっていく。
だがそれは孔雀の羽ではなく天使や悪魔の羽の様な見た目であった。
「さて、行きましょうか」
ライトはそう告げると自身の背中に背負っている装置を起動させる。
するとその羽に装備された加速装置、浮遊装置が起動しライトの体を空に浮かべていく。
「なる程、だから空中から仕掛けるという提案を出したのね」
「ええ、既に装置は完成していましたからね、こうした方が二箇所から攻撃を仕掛けられると思ったので」
「ええと、これはどうやって移動すればいいの?」
「手元に移動しているスイッチを捜査して頂ければ簡単に操作出来ますよ」
パウがライトが提案した理由に納得する一方、クスナは機器の操作方法を問いかける。
するとライトの言う通り手元にスイッチが移動しており、そこに推進、後退、浮上等の単語が書かれていた。
「ご親切にボタン説明も書いてくれている訳ね」
「ええ、戦場である以上操作ミスは致命的になりますから」
アップルが少し嫌味とも取れるような発言をするがライトはそれに対し平然と返す。
その返答は嫌味を意に介していないのか、それともそもそも嫌味ではないのか、その何方とも解釈出来るものであった。
だがその性能は確かであり、瞬く間に目的地に接近していく。
「さて、そろそろ目的地に到着しますね」
「まあ、いい歓迎は期待出来ないだろうがな」
「ええ、ですからみすみす歓迎されるのではなく、先に仕掛けて行くっていうのも手ですね」
目的地が近付いてきた事に対してライトがこう呟くとクウォスは手荒い歓迎を予想する、だがライトはそれに対して明らかに余裕を持った表情を見せる。
「?先に仕掛けるって言うのは分かるけど……」
七宝がそう呟くと同時にライトは手元のスイッチを起動する。
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