第二百七十六話 男の心理を知る時
「へっ、地球の連中を連れてきたからって俺が口を割るとでも……」
「さっきから聞いていたけど、本当に品格の無い口調だね、上層部の側近とは思えない」
「ちっ、言ってくれんじゃねえか!!」
「悪いけど少し黙ってくれない?眠りの帳!!」
神楽とエリーが現れても尚荒く強い口調を崩さない男性に対し神楽はこう告げるとその男性の目の前に黒い布の様な物を出現させ、それを被せてその場に倒れ込ませる。
「あいつが倒れ込んだ?一体何を……」
「何、少し眠らせただけですよ。
手にかけては情報が得られなくなりますからね」
「ええ、私の能力は相手が眠っていても適応出来ますから問題はありません」
「そういう問題なのですか?」
男性が突然倒れ込んだのをみてアデルの側近が問いかけると神楽は眠らせただけだと返答しエリーは能力は眠っていても適用出来ると告げる。
「そういう問題なのですか?」
「今はそれを気にしている場合では無いよ、エリーさん、お願いします」
「分かったわ、任せて」
兵士が疑問を口にするがアデルは今はそれを気にしている場合では無いと発言し、それを聞いたエリーは早々に能力を使用し男性の深層心理を解読する。
「……分かったわ、この男が所属しているのはアデル君の予想通り星間連合の上層部よ。
そして上層部がこの男を含む部隊を送り込んできたのはやはり地球をそれだけの脅威であると認識したから」
「やはり星間連合は地球を大きな脅威であると認識しているのですね……ですがそれだけで送り込むものなのでしょうか?」
「ええ、アデル君の言う通り送り込んできた理由はそれだけじゃないわ」
「となると、やはりマルティー本星は……」
男性の深層心理を解読したエリーはこう告げるとアデル達や神楽にこう告げる。
そしてそれを聞いたアデルは不安な表情を見せる。
だがそんなアデルに対してエリーは
「いえ、アデル君の予想とは異なり、星間連合は本星の部隊も現状反乱軍の制圧に手を焼いている様だわ」
とアデルの不安を大きく裏切る発言を行う。
「……え?」
その言葉を聞いたアデルは嬉しさよりも困惑が表に出ていた。
「ええ、と言っても反乱軍が戦況を逆転出来ている程では無いわね。
何とか各地に潜伏しつつ、ゲリラ的に星間連合の部隊を撹乱していると言う状況の様ね」
「その辺りの真相を知るには本星と通信を繋げる様にするしか無いね……気になるとは思うけどもう少しだけ待って欲しい」
エリーがその理由を説明すると神楽はアデルに対し済まなそうな声をかける。
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