第二百二十二話 新たな七人が現れる時

「相手が星間連合であれば僕達も出撃します」

「以前にも話した様に僕達の協力者である君達を止める事は出来ない、だけど大丈夫なの?」

「ええ、そろそろ皆さんからお譲り頂いた力をそろそろ実践しなければ。

いざという時に使いこなせていないというのはお話になりませんから」


神楽が出撃部隊の選定を始める前にアデルが出撃する事を告げる。


「大丈夫なのですか?星間連合が動いてきたのであればアデル様が集中的に狙われてしまう可能性も……」

「だったら尚の事だよ、奴等が僕を集中的に狙ってくるのであればそれを逆手に取って敵の動きを予測しやすくする事が出来るかも知れない」

「でしたら勿論の事ですが我々も出撃します、アデル様お一人を行かせる和歌には行きませんから」


側近の兵士達も同じく出撃する事を告げ、アデルと表情を見合わせる。

そして頸を縦に振って頷き、出撃する事を決める。


「分かった、だけど君達だけに行かせる訳にはいかない。

僕達の方からも新戦力を投入するよ、神楽、選定を急いで」

「今の会話が行われている内に選定しておきました、もう既に此方に向かってくれています」


高御とアデルが話している間に神楽は出撃するメンバーを選定したと告げ、その言葉を証明するかの様にその場に扉を開けて七人の少年少女が姿を現れる。


「神楽様に呼ばれて参りました」


その中の一人がこう告げるとアデルは


「此方の方々は?」


と質問してくる。

その言葉に対して返答したこの一人は


「私は七木瑠璃花、神楽様に呼ばれて今回初実践となる此方の部隊の指揮を取る事になったわ」


と告げる。

その外見はアデルと同じ位の少女であった。

他にそこに来た面々も大体同じ位の年齢である事は外見から察しが付く。


「俺は悠々楽理」

「私は七海相」

「私は銀波友歌」

「僕は上遠神近」

「僕は平心亜矢」

「私は氷上青見」

「俺は川上達」


その場に集った七人はそれぞれこう名乗り、アデル達の方を一斉に向く。


「君達が今回出撃する面々なの?

顔を合わせるのは初めてな気がするね」

「ええ、私達は今回は初陣ですからそれは致し方ない事です」

「それで大丈夫なのですか?」

「君達……君達は初めての経験という物を抜きにして此処に立っているの?」


顔を合わせたアデルが彼等に対し初対面である事とその理由を問いかけると瑠璃花はこう返答する。

その声は明快であり、初陣を楽しみにしていた様にも思える。

それに対しアデルの側近が少し不安げな声で質問するがそれに対しアデルは諭す様な発言をする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る