第二百二十一話 新たな動きが見られる時
「そうですね、どうも私はまだ戦乱の世界に馴染んでいない様です」
「仕方無い部分もあるとは思いますが国の代表がそれでは困ります、この場に彼等が居たとしたらどんな事になっていたか……」
「それに異形の襲撃は日本の民間人にも被害が及んでいるのでしょう?
そんな事では国民も不安になりますよ」
自らの軽口を反省しつつ日本首相は未だ戦乱に慣れていない事を告げる。
他国の代表はその事に一定の理解を示すものの、やはり呆れている様だ。
「とにかく、新たな脅威が出現した以上、それに対する備えも進めなければなりません。
我々も彼等と連携を取りつつ、外部からの侵略者を迎撃しなければ」
「ええ、その為の方針確認も兼ねての会談なのでしょう。
訓練については各自と合同を並行して行い、技術の解析も進めていく」
「その点に異論はありません」
どうやら今回の会談は今後の防衛戦力をどうやって展開していくかについてを語っているようだ。
その合意が取れたのか、各国代表は席を外しその部屋から去っていく。
その会談が行われてから二週間が過ぎようとした所、次なる進展と言えるのかどうか分からないが動きが見られた。
米国のデトロイト州上空に転移通路らしき反応が見られたのだ。
「デトロイト州に転移通路の反応が見られた?それは本当なの?」
「ええ、間違いありません。
反応から考えると星間連合の部隊と推測されます」
「暫くおとなしくしていたと思ったら再び動き初めたという訳かも知れませんね」
祖国に出現したと言う事があるのか、ミスティが少々焦った様な声で問いかけると明帝は明確に問いかけ、星間連合が出現するという事もあるのかアデルも声を続ける。
「これまでのパターンから比べても少し規模が大きいですね、戦力を整えて進行してきたのか、それとも他の目的があるのか」
「日本で拘束した調査員達からも情報を絞っていますが、今回の襲撃については情報が伝わっていない為、恐らくは新たに作戦を練り直して来たのでしょう。
勿論、今回の行動が作戦に基づかないものであればその限りではありませんが」
神楽と明帝が早くも分析を開始する中、高御は
「アメリカ側も既に迎撃部隊を出撃させる準備に取り掛かってる。
此方側も部隊を出撃させるよ」
と指示を送る。
「此方の戦力も揃ってきていますからね、そろそろ実戦経験も積ませていかなければ」
「だからといって油断して死者を出すと言った事態を招くわけには行かないよ」
神楽もそれに同意し、出撃部隊の選定を開始する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます