第二百十八話 二人が決意する時
「あの……一つお聞きしたいのですがその星間連合というのは?」
「そうか、君達は知らなかったね、星間連合と言うのは……」
セリアンが問いかけてくるとアデルは星間連合について説明する。
無論その中には転移通路の説明も含まれていた。
「つまり、皆さんやその星間連合という組織も私達の妖術通路と同じ様な力も持っているのですね」
「しかも俺達の世界からこの世界に来るのにその通路が原因の可能性があるとはな、しかし俺達がこの世界に来た時通路に異常は見られなかったが……」
「ああ、だから君達が僕達の世界に来たのはこれまでとは違うパターンじゃないかと考えてる。
最もそれを調べる為には神楽と七宝のデータ解析を待つしか無いけどね」
その説明を聞いたセリアンとスロープは納得した表情を見せ、そこに高御の補足説明が入る。
「そうか……それなら、セリアン」
「ええ、多分同じ事を考えているんでしょう?」
その言葉を聞いたセリアンとスロープはまず二人で顔を見合わせ、それから高御とアデルの方に顔を向ける。
その行動に一瞬困惑した表情を浮かべるアデルに対し二人は
「俺(私)達もその星間連合という組織との戦いにも協力します」
と告げる。
「……それは本気なの?厳しい戦いになるし命の保証も出来ないよ」
セリアンとスロープの返答に対してアデルは険しい顔と声で返答するが、セリアンとスロープの表情は変わらなかった。
その表情を変える事無くそのまま
「そんな事は分かっているよ、だけどお世話になりっぱなしって言うのは俺達の性に合わねえのさ」
「それに星間連合が使っていると言う通路に対する興味も沸きましたし」
と返答する。
セリアンの発言は若干お気楽に聞こえるものの、その表情から険しさが消えている訳ではない。
寧ろ先程より強くなっているようにすら見える。
「如何致しましょうか、アデル様」
「恐らく高御さんは僕達と同様、あくまでも彼等が決める事であると告げるだろうね。
なら僕も同じだよ、覚悟を決めた存在の心はそう簡単には折れる事はない、それは僕達が証明してる事だよ」
「アデル君の言う通り、僕も彼等の協力には口を挟むつもりはないよ、只、流石に兵器戦闘に向かわせる訳には行かないけどね」
セリアンとスロープの発言を受け、アデルと高御は彼等の協力を受ける事を決める。
「とは言っても今の所はまず先程の地球への戦力提供とデータの解析が最優先事項になり、交戦は先に向こう側が仕掛けて来た時だね。
それまでは君達も休んだ方が良いと思う、直ぐに部屋を用意するから」
高御はこう告げるとセリアンとスロープの表情は少し緩む。
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